目頭切開
目頭切開とはどんな方法?
目頭切開(内眼角形成術)とは、目頭側の蒙古ひだを切除することで、二重の形を平行型に近づけたり、目と目の間隔を近づける手術方法になります。
目頭切開はこういった方に向いています
- 目と目の間隔が開いている
- 目頭が斜め下に切れ込んでいるのを解消したい
- 二重の形を平行型にしたい、近づけたい
症例写真
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Before
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After
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概要
20代女性の全切開法+目頭切開の症例になります。ハム目を避けつつ、ぱっちり二重にしたいとの希望にて全切開法と、Z法による目頭切開を行いました。
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Before
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After
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概要
20代女性の全切開法+目頭切開症例になります。以前埋没法をされていますが、緩んで幅が狭くなってきたため前記手術を行われました。
目頭切開の特徴
目頭切開には、医学的な適応と、美容的な適応、二つがあります。医学的な適応とは、そもそも蒙古ひだがある場合、目と目の間隔が開いている場合です。
目と目の間隔の平均値は、33~37mmと言われていて、40㎜を超えると離れ目とされます。また、日本人全員に蒙古ひだがあるわけではなく、10%程度は蒙古ひだの切除の適応がないとされます。
美容的な適応とは、蒙古ひだを切除した結果目と目の間隔が30㎜以下になる場合です。手術の結果、寄り目になるようであれば、あまりお勧めできません。頭蓋骨の大きさによって変わる場合もあります。
蒙古ひだとは?
蒙古ひだとは、目頭部にある皮膚のひだを指します。東洋人に多い一方、白人には蒙古ひだはほとんどありません。蒙古ひだが発達していると、目と目の間隔が間延びして見えたり、二重の形が平行型になりにくくなります。幸い蒙古ひだには、重要な神経、血管は走行していませんので、切除しても医学的に不具合はなく、腫れも少ない手術方法です。
目頭切開の2つ手術方法
目頭切開には、主に2種類の手術方法があります。W(内田法)とZ法と呼ばれていて、術後の傷の形がいずれもアルファベットのWとZに似ていることから名前がついています。
いずれも蒙古にメスを入れる手術ですが、得られる効果は少し異なります。それぞれの術式について説明します。
内田法(W法)
W法(内田法)は、目頭を覆う蒙古ひだを2等辺三角形で上下2か所で切除し、目頭に入れた切れ込みに3角形の皮膚を差し込むことで、傷にかかる負担を分散させます。横だけではなく、縦方向にも目の開き幅を大きくすることができ、目頭側のみのたるみとり行えるのが特徴で、Z法よりも平行型の二重に近づけることができます。
メリットが大きい術式ですが、一方でZ形成法のように「元に戻す」事が困難であるという点や、皮膚切除をするために肥厚性瘢痕ができやすいという点がデメリットです。
しかしながら現在では、ケナコルト(トリアムシノロン)を肥厚性瘢痕に注射することで、早期に治療することが可能です。
目頭切開W法(内田法)はこういった方に向いています
- 目頭側の二重幅が狭いが、平行型に近づけたい
- 目頭側が三角目で、優しい感じにしたい
- 目頭切開をしたいが、あまり目と目の間隔を近寄せたくない
目頭切開Z法
当院において、Z法は目頭切開のうち80%占めるメジャーな手術です。蒙古ヒダ部分をZの形で切開し、皮膚を入れ替えるように縫う事で、目頭の皮膚が内側方向に引っ張られて目頭側が広がります。
目頭切開Z法はこういった方に向いています
- 蒙古ひだが発達していて、丸く見える目頭をとがらせたい方
- 目と目の間隔をとにかく寄せたい方
蒙古ひだが発達していて下眼瞼にハの字のしわが入っているような方は、目頭が丸く瞳が中央によって見えます。多くの場合、目と目の間隔も幅が広いので、Z法で内側方向に目を拡張すると、アーモンド形の目にすることも可能です。
また、Z法は三角皮弁を入れ替える手術であり、蒙古ひだの切除が最小限なため、肥厚性瘢痕と呼ばれる傷のふくらみが起こりにくい点などがあります。
また蒙古ひだをもとの状態に近づける手術として逆Z法と呼ばれる方法があり、逆の順序で手術を行えば、蒙古ひだを作成できます。半面、W法に比べて劣る点は、目の拡張が内側方向のみのため、二重幅が狭いとZ法を行ても、平行型になりにくい点があります。その場合、二重手術で二重幅を広げるか、W法を選ぶ必要があります。
目頭切開の選び方
Z法を例にすると、当院では、Zの1辺の幅が1.5~2.5㎜とし、目と目の間隔が2~4㎜程度寄せることができ、変化を実感することが可能です。しかし、切除幅が極端に小さかったり、大きかったりすると満足のいく仕上がりになりません。術前にDrとしっかりご相談ください。
左右差を修正することが可能
人の顔でも左右で差があるように、蒙古ひだの左右差も珍しくありません。 左右差がある場合、実例としては左右で切除幅に差をつけたり、蒙古ひだが発達している片側だけの手術を行う場合があります。
目頭の傷が気になる
目の周囲の手術は、体の中で一番手術の傷が目立たなくなる部位ですが、その中でも目頭は傷の治りが遅い部位です。 とはいってもケロイドになることはまれで一時的に肥厚性瘢痕ができても、6か月くらいで目立たなくなります。また、ケナコルト注射(トリアムシノロン)行えば、早く治すことも可能です。
目頭切開とよく一緒に行う手術は?
埋没法、切開法など 理想的な目としてアーモンドアイがよく例として挙げられます。目の横幅だけでなく、縦幅が広い目が理想とされている一方、一重瞼、瞼は非常に厚みがある場合、逆さまつ毛、眼瞼下垂など、目の縦幅が狭い方に目頭切開を行うと、より目が細く見えます。 その場合、目の開きをよくする二重手術と一緒に行うのが正解です。 また末広型の二重を平行型にしたい場合、同様に二重手術が必要な場合があります。
目をできるだけ大きくしたい場合、二重手術、下眼瞼下制術などをすでに行っていて縦方向の改善ができない場合、残りは横方向の改善しかありませんが、目じり側を切開し、目を切れ長にする目じり切開と呼ばれる手術があります。
目頭切開手術の流れ
- 1. カウンセリング
- まずカウンセリングにて、患者様の希望をお聞きして最適な手術方法をご提案します。
- 2.デザイン
- 蒙古ひだの程度、希望の目頭の形、どこまで変化をご希望されているかによって、目頭切開の手術方法の選択と、切除量を決定していただきます。油性マーカーにてデザインをします。
- 3.麻酔
- 消毒のあと、デザイン部に局所麻酔を行います。手術中の痛みはほとんどありません。
- 4.手術
- デザインにそってメスを入れます。Z法は3角形の皮弁を回転させZ型に、w法は皮膚を一部切除しW型に縫合します。
吸収糸で中縫いを行い、透明な糸で外縫いを行います。 - 5.術後説明とクーリング
- 術後のアフターケアを看護師から説明します。腫れを抑えるためにリカバリールームにて、瞼をクーリングしてから帰宅していただきます。
手術費用
手術時間 | 40分程度、日帰りでの手術です |
手術費用 | 165,000円 |
備考:局所麻酔。お痛みに弱い方は、吸入麻酔や笑気麻酔の併用がおすすめです。
施術のリスク、副作用
目頭部分のつっぱりや左右差・・シワの増加・たるみが残る・結膜浮腫・腫れ・浮腫み・内出血・毛嚢炎・中糸の露出・血液貯留・感染等