豊胸・人工乳腺(豊胸バッグ)法
豊胸・人工乳腺(豊胸バッグ)法
人工乳腺豊胸術とは、ポリエステルの膜の中に、ジェル状の物質を充てんした円盤型のバッグを用いてお胸のバストアップを行う手術方法になります。
1970年ごろ始まった人工乳腺豊胸術は、初期は生理食塩水やシリコンジェルを内容物として使用したバッグがまず登場し、現在では、1990年頃に登場したコヒーシブシリコンバッグが様々な改良を経て、主流となっています。
人工乳腺(コヒーシブシリコンバッグ)はこういった方に向いています。
- 2カップ以上バストアップをしたい方
- 痩せていて脂肪注入ができない方
- バストが大きく、もっとバストアップをしたい方
症例写真
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Before
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After
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概要
19歳女性の豊胸術症例になります。3カップくらいバストを大きくしたいとの希望にて、モティバの335㏄ デミを使用し、豊胸術行いました。
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Before
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After
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概要
20代女性 モティババッグを使用した豊胸術症例になります。現在Bカップのところ、2カップくらいバストアップしたいとの希望にて、モティバのデミ205㏄を使用しました。
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Before
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After
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概要
20代女性の、人工乳腺挿入術になります。バストアップ目的に、コヒーシブシリコンバックの挿入を行いました。
手術費用
手術時間 | 1時間~2時間程度。通常は入院の必要はありません。 |
手術費用 | 880,000円 |
人工乳腺(コヒーシブシリコンバッグ)、モティバとは?
モティバとは?
現在使用しているMotiva(モティバ)バッグは、2010年ごろに登場しました。従来の豊胸バッグと比較して、より柔らかく、被膜拘縮が起きにくく、より安全性に優れたバッグだったことから、他のバッグを駆逐し豊胸バッグといえば、モティバといったような状況になっています。乳がん術後のバスト再建に使うコヒーシブシリコンバッグにも、同社のバッグが選ばれました。
従来のコヒーシブシリコンバッグと比較して、モティバには以下の特徴があります。
- バッグの被膜が薄く、バック表面はシルクのようなすべすべ加工がされており被膜拘縮の可能性が大幅低下
- バッグに大きな力が加わっても、元の形状に戻る、復元性が優れている。
- バッグの充填率が100%のため、バッグ表面上にしわが入りにくい
- バッグサイズ、形状が異なった、100種類以上の中から、自分に合った豊胸バッグを選ぶことが可能
バッグサイズの形状、サイズ決定の流れ
豊胸バッグサイズや形状はどう選ぶのでしょうか?
まずは、患者様のどのくらいバストを大きくしたいかで、大体のサイズを決定します。
- 1. 1カップアップには、約100㏄必要
- 例えば、2カップ、3カップアップするには、それぞれ200㏄、300㏄が必要とされます。
ただし日本人の体形は欧米人と比べて体格が小さく、乳房の皮膚の進展性や、脂肪の厚みが少ないため、大きすぎるバッグは使用できません。当院では200㏄以上、400㏄以下が標準です。
バックのサイズ決定の要素としては、胸郭の横幅です。乳頭のレベルで乳腺の横幅を測定します。11㎝から12.5㎝が標準ですが、バッグ可動性を考慮し、0.5~1㎝程度、直径が小さめのサイズをお勧めしています。 - 2. モティババッグの形状は、日本人にはDEMIがベスト
- モティバのバッグの形状には4タイプがあります。
平坦なMINI,日本人に適したDEMI,胸の谷間にボリュームができるFULL、
メロンをくっつけたようなバストになるCORSEに分類されています。
日本人に合う釣り鐘型バストを目指すなら、DEMIが一番おすすめです。
FULLはドレスの谷間を作りたい方や、出産を経験して上胸部が陥凹している方に使用したことがありますが、丸みのあるバストになります。
麻酔の種類と選び方
当院では全身麻酔もしくは硬膜外麻酔で行っています。
全身麻酔は寝ている間に手術が終わりますが、術後に気管挿管が原因の喉の痛みがあったり、吸入麻酔による気分不良があります。
一方、硬膜外麻酔は、手術中に意識があり、バストチェックができる点、術後も麻酔がしばらく効いているため痛みが少なく、気分不良が少ないというメリットがあります。 意識があると怖い場合は、硬膜外麻酔に静脈麻酔を併用することが可能です。
*2024年秋現在、硬膜外麻酔に使う麻酔薬が、生産減少が原因で入手困難になっており、硬膜外麻酔を中止しています。入荷制限がなくなれば、硬膜外麻酔は再開予定です。
手術方法
乳腺下法(大胸筋膜下法)と、大胸筋下法
豊胸バッグを挿入する層には、
(1)乳腺下法(大胸筋膜下法)
(2)大胸筋下法
の2種類があります。
当院では、ほとんどの症例で1の乳腺下法で行っています。モティバは、旧タイプのコヒーシブシリコンバッグよりも柔らかく、肌さわりも滑らかなため、乳腺や皮膚が薄い患者様にも良い仕上がりが期待できます。
乳腺下法(大胸筋膜下法)
乳腺と大胸筋の間にある、薄い筋膜の間に豊胸バッグを挿入する方法です。 乳腺下法の被膜拘縮の起こりにくさと、大胸筋下法の豊胸バッグの浮き出にくさの両方のメリットがあります。
メリットとしては以下が挙げられます
- 筋肉を傷つけにくいため手術中の出血が少なくダウンタイムが短い
- バックの輪郭が浮き出る事を防ぎ、なだらかで自然なバストを実現
大胸筋下法
大胸筋と小胸筋との間に豊胸バッグを挿入する方法です。乳腺や皮下脂肪が少なくてもバッグの輪郭が浮き出にくい特徴があります。
大胸筋下法のメリット
- 痩せていてもバッグの輪郭が浮き出にくい
考えられるデメリット
- 術後3カ月程度、マッサージが必要
- 他の方法に比べ、痛みが強い
バッグの入れる傷はどこに作る?腋窩、乳房下縁、それぞれの特徴
バッグを体内に挿入する際には傷を作る必要があり、経路としては以下の2つがあります。
1、脇の部分にから行う、腋窩切開
2、アンダーバスト上に傷を作成する、乳房下縁切開
1の腋窩切開は、傷痕の目立ち難さという点で優れており、患者様の希望が多い手術方法です。欠点としては、脇のツッパリ感が残りやすい、大量出血時の止血が難しい。などがあります。
2の乳房下縁切開は、再手術や修正などで選択することが多いアプローチ方法です。
手術視野を確保しやすく、拘縮した被膜の剝離や、止血がしやすいというメリットがあります。修正手術などで、2回目以降の豊胸手術に適したアプローチ方法になります。
手術の流れ
- 1.カウンセリング
- 診察と問診をさせていただき、患者様に適した手術、バックのサイズ等を相談の上決めさせていただきます。豊胸バックは、一部サイズを除き、手術決定後に海外発注になります。受注生産になり、バッグサイズによっては、1か月以上入荷までに時間がかかる場合があります。早めの予約確定か、在庫のバックの検討をお願いしています。
- 2.麻酔
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硬膜外麻酔、もしくは全身麻酔を行っています。硬膜外麻酔の場合には、術中のミラーチェックも可能です。
*硬膜外麻酔に使う麻酔薬の製造がストップしているため、2024年秋現在、硬膜外麻酔を中止しています。薬の入荷が再開しましたら、ご連絡します。
- 3.手術
- 腋窩もしくは、乳房下縁から剥離を行い、バッグのスペースを作成します。バストサイズが大きくなりますので乳房下縁は今までよりも、下方向、外側方向に約2~3cmずつ、広くなります。
バッグが入りましたら、ベッドを座位までお越し、左右のバランス形状を確認します。
必要に応じてスペースを調整します。
出血が多い場合には、ドレーンを入れることがあります。(ドレーンは、翌日以降抜去) - 4.術後経過と検診
- ドレーンが入っている場合には、翌日検診に来ていただきます。
出血が少なくなったのを確認後、ドレーンを抜去します。
7日目検診、1か月検診、3か月検診を行います。 - 5.術後のバストの状態検査
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▼7日目
バッグを挿入した傷は、中縫いで傷を縫合するため、抜糸は必要ありません。(ドレーンを入れた場合は、ドレーンの傷の抜糸があります。)
腫れ、内出血があり、出産経験がない患者様は 皮膚が伸びておらず、張ったようなバストの硬さと、丸みがあります。▼1か月時
内出血、むくみはほとんど改善しています。傷の赤み、色素沈着があれば、レーザーやシミ取りクリームで治療していきます。バッグ周囲の被膜が完成している時期ですので、ワイヤー入りのブラジャーの着用が可能になります。▼3か月検診
バストの皮膚が十分進展し、柔らかさと綺麗な形状が完成しました。バストの知覚がかなり戻ってきていますが、人によっては、さらに数か月かかる場合があります。
注意点と特徴
麻酔 | 全身麻酔 |
使用するバック | Motiva Ergonomics2 モティバは、新世代のラフタイプのコヒーシブシリコンバックになります。バッグ周囲の膜が柔らかく、被膜拘縮を起こしにくい表面加工がされています。 |
アプローチ | 腋窩アプローチ、乳房下縁アプローチになります。乳房下縁アプローチは再手術のほうが向いています。 |
手術後の経過・注意事項について | バストの状況で、運動再開のタイミング、ブラジャーなどの下着について指導します。傷の赤み、ツッパリ感治療を必要に応じて行います。 |
施術の副作用(リスク)
胸部の張り(硬さ)・左右差・痛み・かゆみ・感染症・筋肉痛・腕の可動域の狭さ・被膜拘縮・腫れ・浮腫み・内出血・出血・血腫・大きさの物足りなさ・再手術の可能性等
血腫(ご手術後一意的に発症します)は時間の経過と共に改善されます。
豊胸バッグの入荷について
豊胸バッグの入荷に長期間かかっています。早めにカウンセリングをお勧めします。
モティバの入荷にかかる期間についてのご案内です。数年前であれば、発注後1週間以内でクリニックに届いていましたが、2024年秋頃の症例では、1か月以上届かず、手術が延期になったケースもありました。日本でよく使われるサイズが、全世界的には需要が少なく、製造が後回しにされている可能性、コロナ後のサプライチェーンの混乱が残っている可能性があります。
近い日程での手術を希望の方は、できるだけ早くカウンセリングを行って、日程を確定する、在庫のあるサイズでの豊胸を検討していただけますようおねがいします。
乳がん検診について
超音波エコーのお勧め
女性のうち、9人に一人は乳がんに罹患するというのはご存じでしょうか?乳がんは初期症状に乏しいため、気づいた時には進行していることが多く、救命が困難な癌の一つです。
豊胸術をされていると、ばれるのが嫌なので職場の健康診断を受けにくいといった話をよく聞きます。
当院では保険適応ではありませんが、豊胸バッグの状態観察に加えて、乳がん検診も行える、超音波エコーがあります。 他院で豊胸術を受けられて、乳房検診ができていない場合でも検査できますので、当院までご相談ください。