豊胸・脂肪注入法
脂肪注入豊胸術
脂肪注入豊胸術とは?
脂肪注入豊胸術とは、ご自身の脂肪を気になる部位から吸引して、バストに注入することで、気になる部位の部分痩せと、豊胸を同時に行うことのできる手術方法です。
コヒーシブシリコンバッグなどの異物を入れたくない方やヒアルロン酸のように一時的な豊胸はいやな方にお勧めの手術になります。
脂肪注入によるメリットは、マンモグラフィーのような通常の乳がん検診を受けることができ、自然な柔らかさを実現できる点にあります。
当院では、脂肪注入豊胸術として、脂肪フィルターリングシステムであるピュアグラフトを用いた脂肪注入豊胸術と、ラボで増殖させた脂肪幹細胞を併せて注入するプレミアム脂肪注入とがあります。
脂肪注入豊胸術の特徴
上腕、腹部、大腿部からシリンジ吸引にて脂肪を吸引します。器械と違って時間がかかりますが、強い陰圧が加わらないため、脂肪細胞の損傷を防ぐことが可能です。ピュアグラフトで幹細胞を残したまま吸引脂肪から血液、繊維細胞などの不順物を取り除きます。
腋窩、乳輪下縁、乳房下縁の左右3か所ずつの針孔から、極細注射針を使用し、皮下脂肪層、乳腺周囲、乳腺―大胸筋間、大胸筋内に注入します。
左右でそれぞれ150~200㏄程度注入するのが一般的です。
注入した脂肪は2か月くらいかけて吸収されていき、30~40%くらいが半永久的に定着します。
脂肪注入豊胸術はこういった方に向いています
- 人工物(バッグ、ヒアルロン酸など)による豊胸に抵抗がある方
- 痩せたい部位と、バストアップを同時に希望される方
- 部分的(上胸部、胸の谷間など)に豊胸をしたい方
- レントゲンに写らない方法を希望する方
症例写真
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Before
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After
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概要
30代女性の豊胸バッグ挿入+脂肪注入(ピュアグラフト)+PRP注入症例になります。
元々、胸の大きさはEカップと大きめではあったが、形を整えつつ更に大きくしたいという希望により手術を行っています。
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Before
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After
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概要
20代女性の脂肪注入豊胸術術症例になります。上腕、腹部、大腿内側から脂肪吸引を行い、左右ともに200㏄ずつ注入しましした。
手術費用
手術時間 | 3~4時間程度、通常は入院の必要はありません。 |
手術費用 | 88.0000円 |
備考 | 脂肪吸引+脂肪注入豊胸術の場合 脂肪採取部位の吸引料金 + 330,000円 |
他の豊胸手術との比較
人工乳腺(豊胸バッグ)法との比較
コヒーシブシリコンバッグを使ってバストアップを行う手術です。比較的短時間で、2カップから4カップアップ弱までバストサイズを大きくできます。
バッグの材質や手術方法の改良によって、被膜拘縮などの人工乳腺特有の合併症の発生率も下がってきています。 傷ができること、一部の乳がん検診実施できないなどがデメリットになります。
〇 3カップ以上アップも可能 永久的 × 傷ができる 被膜拘縮の可能性(低い)
ヒアルロン酸注入との比較
ヒアルロン酸を使って豊胸をする手術です。ハイアコープなどの架橋構造や控えめの柔らかいヒアルロン酸を数十cc以上注入します。傷が小さくて済み、気になる部分に注入します。手術は、細いカニューラ針を使用し、乳腺下に注入します。
傷が小さく、短時間で終わるのがメリットです。 注入したヒアルロン酸の持続期間は1年~1年半ほどと永久的ではないこと、1~1.5カップアップ程度とあまり大きくバストアップできないのがデメリットです。
〇傷が小さい 短時間の手術 × あまり大きくならない 一時的
脂肪注入の欠点と対策
脂肪注入豊胸の課題は、脂肪の定着率をいかに上げるか、しこりの発生率を抑えるかです。
当院では、極細のカニューラ針を使用し、皮下脂肪層、乳腺周囲、乳腺―大胸筋間、大胸筋内の4つの層に分散して注入を行います。注入された脂肪は、周囲の正常な組織から酸素や栄養を受け取ることによって、毛細血管が新たにでき、その場に定着します。注入された脂肪の定着率を上げる手段として一番効果的なのは、筋肉層内への注入です。
また細い吸引管で脂肪を吸引し、細いカニューラで脂肪を重なり合わないようにスパゲティ状に注入していくことで、注入脂肪に対する血流が良くなり、脂肪の残存率を上げることが可能です。
当院では、一定量ずつ注入しやすくするための器械、セルブラシを使用しています。
セルブラシは、ダイヤルを回転させることで、少量ずつの脂肪注入を可能にした器械です。
脂肪注入は、一般的には、注射器を使用します。ただし、組織の硬さや脂肪粒子の大きさによっては、注入スピードのむらができ、注入のむらがおこります。セルブラシは正確な脂肪注入を可能にする機械で、機械についているダイヤルを回転させることで、注射を行います。 そのため、均一に村の無い脂肪注入が可能です。
ピュアグラフトとは?
脂肪吸引したばかりの脂肪には、脂肪細胞だけではなく、血液やコラーゲン繊維、壊れた脂肪細胞から漏れ出た油滴(オイル)が混じります。ピュアグラフとは脂肪細胞以外の不純物を取り除き、幹細胞をより多く残すことができる脂肪純化システムです。
また吸引した脂肪はほとんど空気に触れないため、乾燥を防ぐことができ、空気中を漂う降下細菌が混入することを防ぐことができます。
ピュアグラフトの術中写真
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吸引脂肪充填後
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濾過中
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不純物を取り除いた状態
手術の流れ
- 1.カウンセリング
- 診察をさせていただき、脂肪注入が可能か、どの部位から吸引してどのくらい注入できそうか。完成時のバストサイズのシミュレーションを行います。
場合によっては、バッグやヒアルロン酸注入による豊胸をお勧めする場合があります。 - 2.麻酔
- 麻酔は全身麻酔で行います。併せて脂肪吸引部分や脂肪注入部分には、局所麻酔を散布して術後の痛みを抑えるようにします。
硬膜外麻酔は、使用薬品の入手困難が原因で2024年秋現在、中止しています。 - 3.手術
- 全身麻酔にて行います。腹部、大腿部などから吸引しますが、脂肪の付き方によっては他の部位からでも脂肪吸引は可能です。脂肪注入豊胸術は、左右ともに150~200㏄ずつくらい注入しますので、吸引自体は800㏄程度行います。
ピュアグラフトにて脂肪の洗浄とフィルタリングを行った後、極細カニューラ針で脂肪を注入しています。
注入後は、脂肪吸引部の圧迫をおこないます。
- 4.術後経過
- 脂肪注入部位は、綺麗なラインにするため、圧迫は行いません。7日目に抜糸となります。
脂肪は徐々に吸収され、2か月程度で落ち着きますが、残存率は30~40%になります。
定着率を上げるために、1,2か月は胸のマッサージを避けてください。
乳腺は傷つけないため、手術後の授乳は可能です。
注意点と特徴
手術時間 |
3~4時間程度、通常は入院の必要はありません。 |
手術費用 |
脂肪注入豊胸術(片側につき200㏄程度) 88.0000円 |
手術前検査 |
手術のお申し込み時に血液検査が必要です。 |
麻酔 | 全身麻酔 *硬膜外麻酔は、使用薬品が入手困難のため、2024年秋現在、中止しています。 |
特徴 |
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施術の副作用(リスク)
腫れ、内出血が長引く、感染、傷痕、色素沈着、異物反応、痛み、しびれ、その他知覚異常、脱毛、アレルギーやショック反応などの合併症がおこりえます。
よくある質問
Q.脂肪注入豊胸と、脂肪吸引+脂肪注入豊胸との違いは?
A.脂肪注入豊胸とは、お胸に注入するのに必要な脂肪だけを吸引するのに対して、脂肪吸引+MM脂肪注入は、きちんと脂肪吸引したうえで、お胸に脂肪を注入します。
前者は、脂肪吸引しない部位があったり、控えめに脂肪吸引する可能性がありますが、後者はきちんと脂肪吸引するので、注入量以上の脂肪を吸引します。
豊胸をメインとするか、脂肪吸引を優先かで決めていただけると良いでしょう。
Q.脂肪注入の定着率を上げる方法はありますか?定着率が高い体質はあるのでしょうか?
A.体内に脂肪を注入すると、周囲から毛細血管が伸びてきて酸素や栄養をもらえるようになることで、完全に定着します。そのため脂肪注入した部位に対してマッサージを控える
必要があり、強い圧迫や、腫れを軽減することで相対的に血流をよくするために、局所冷却が効果的とされています。
また、お胸の脂肪が薄く、皮膚がたるんでいない、伸びにくい肌質の場合は、注入脂肪周囲の血流が悪くなるため、定着率が下がる傾向にあります。
Q.脂肪注入豊胸でしこりはできますか?しこりができた場合、悪性化することはありますか?
A.脂肪注入でしこりを防ぐポイントはいろいろわかってきましたが、現在でも完全に防ぐことはできていません。脂肪注入豊胸術の場合は、痩せている方ほど起こりやすいと言われています。
原因としては、
1.身体が全体的に痩せていると、注入脂肪にしこりの原因になる、繊維細胞や血液が混じりやすい
2.もともとのバストが痩せていると、しこりが触れやすくなる
3.注入脂肪周囲の組織が少ないため、意図せず塊上に脂肪が注入される確率が高くなる。
などがあります。
脂肪注入豊胸後のしこりは、壊死した注入脂肪の周囲にコラーゲンの被膜が形成されることが原因です。 しこりが悪性化することはありませんが、触診上は区別しにくいのでエコー等で検査する場合があります。