アクアフィリング除去と同時豊胸
(他院修正)
アクアフィリング(アクアリフト)豊胸とは
アクアフィリングの主成分は、2%のポリアクリルアミド(陽イオン)と98%の生理食塩水で構成されています。発売当初は、ヒアルロン酸や脂肪注入に次ぐ、ボリューム補填用のジェルとして発売されました。
ヒアルロン酸よりも持続期間が長く、生理食塩水を注入すれば簡単に分解されると言われていたアクアフィリングですが、生理食塩水の注入だけで溶解することはできず、周囲の脂肪組織を溶かしてしまう副作用があるのがわかりました。初期症状としては注入部位が数年後に腫れてくるものであり、治療としては、外科的に取り除くしかありません。
大阪のコムロ美容外科でも過去にアクアフィリング注入を行っており、アクアフィリング除去手術も行っています。
アクアフィリング豊胸では、他の部位への注入と違い注入量が多いため、周囲へ広く流れたり、腫れも強くなる可能性があります。 アクアフィリング豊胸術後に、手術したクリニックでフォローしてくれない、治療を断られたという方は、当院へお越しください。
アクアフィリングの別名について
アクアフィリング豊胸は、時期やクリニックによって「アクアリフト(Aqua Lift)」や「ロスデライン(Los Deline)」といった名称で案内されていることがありますが、いずれも同じ親水性ポリアミドゲルを主成分とする製剤です。また、医学的にはPAAG(ポリアクリルアミド・ハイドロゲル)と呼ばれる非吸収性充填剤に分類されます。
当時、「ヒアルロン酸より長持ちする」「生理食塩水で溶かせるプチ豊胸」として説明を受けた方もいらっしゃいますが、体内で起こり得る組織変性や感染、カプセル形成などのリスクは共通しています。
ご自身が受けた施術名が分からない場合でも、超音波エコー検査によって確認できることがあります。不安のある方はお気軽にご相談ください。
アクアフィリング豊胸術後修正はこういった方にお勧めします。
- ・過去に、量の大小にかかわらず、アクアフィリングを使って豊胸をされた方
*現状問題ない方も定期的な検診をお勧めします。
アクアフィリングの早急な除去が必要な症状
- 注入部位が膨らんできた。
- 注入部位が移動している感じがする。
- 注入部位を触ると、ぶよぶよとした感触になっている。
アクアフィリング(アクアリフト)除去に当たっての検査は何が必要?
アクアフィリングの状態確認には超音波エコーが最適です。アクアフィリングの層の厚み、どこまで流れているか調べることが可能です。
MRI,CTでより詳しく検査することも可能ですが、アクアフィリングの組織への浸食度はエコーの方がより正確に調べることが可能です。
除去の際、感染が疑われる場合には細菌の培養検査を行い、最適な抗生剤治療を行います。

アクアフィリング(アクアリフト)豊胸後除去 当院の特徴
バストに注入されたアクアフィリングを確実に取り除くためには、直視下で徹底的な洗浄・掻き出しを行う必要があります。
そのため当院では、脇の下からの切開ではなく「乳房下縁切開(アンダーバストの切開)」を強くお勧めしています。
通常のバッグ豊胸では脇切開が選ばれることも多いですが、アクアフィリング修正において乳房下縁切開を第一選択とするのには、以下の明確な理由があります。
1. 下方に流れたアクアフィリングを確実に除去・洗浄できる
アクアフィリングは重力の影響を受け、バストの下部や腹部、腋窩方向へ流れ落ちて溜まる性質があります。下縁を切開することで、この下方に溜まった異物へダイレクトにアプローチでき、徹底した洗浄と排出が可能になります。
2. 傷跡がバストの陰に隠れて見えにくくなる
「胸の下を切ると傷が目立つのでは」と心配されるかもしれませんが、除去と同時にバッグを挿入(同時豊胸)した場合など、豊胸後のバストはボリュームが出ることで乳房下縁が深く食い込む形になります。切開した傷跡は胸の自然な折り目(陰)にすっぽりと隠れるため、将来的にはほとんど目立たなくなります。
3. 下がってしまったアンダーバストラインの修正ができる
アクアフィリングの重みや組織へのダメージにより皮下脂肪が吸収され、アンダーバストのラインが本来の位置よりも下に伸びて(下がって)しまっているケースが非常に多く見られます。下縁切開を行うことで、手術の仕上げとして切開部から内部の筋膜と真皮を糸でしっかりと縫合固定(筋膜ー真皮固定)することができ、崩れてしまったアンダーラインを本来の美しい位置へ修正・再構築することが可能です。
アンダー切開(乳房下縁切開)を採用する5つのメリット
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確実な除去と止血
直視下で視野が広くとれるため、異物の除去がしやすく、安全で確実な止血が可能です。 -
下垂した異物へのアプローチが容易
重力によって乳房下縁を超え、腹部・腋窩方向へ下がってしまったアクアフィリングもスムーズに洗浄・排出できます。 -
下垂したバストラインの修正・再構築
アクアフィリングの重みで伸びてしまった乳房下縁を、内部(※大胸筋と乳腺/または筋膜と真皮)で縫合固定し、美しいアンダーラインを作り直すことができます。 -
同時豊胸へのスムーズな移行
除去に使用した切開創(傷)をそのまま利用して、同時にシリコンバッグ等を挿入する豊胸術が可能です。 -
傷跡が目立ちにくい
バストのボリュームによってできる自然な深いシワ(下縁の食い込み)に傷が隠れるため、将来的にはほとんど目立たなくなります。

大阪のコムロ美容外科からのメッセージ
アクアフィリング(アクアリフト)豊胸後のトラブルの際、いきなり大病院に行かれる方もおられます。
ですが、まずは手術を行ったクリニックや、アクアフィリング除去の経験のある美容外科に相談することをお勧めします。
保険診療ではアクアフィリングを取り扱っておらず、どうしても治療が大がかりになります。大学病院で手術を受けた患者様のケースでは、乳がんの拡大乳房切除に準じた手術をされてしまい、乳腺も含めて切除されてしまい大きな傷を作ってしまった方もおられるようです。
アクアフィリングは、生理食塩水を大量に散布することで、容易に押し出せるくらい柔らかくなるため、数センチの傷からアクアフィリングの除去が可能です。また、100%除去できなくても症状の進行を抑えることは可能です。
アクアフィリングには、感染の可能性や、脂肪を溶かす副作用がわかってきましたが、比較的小さな傷、大がかりではない手術での治療が可能です。他院でアクアフィリング豊胸を受けられた方でも、当院にご相談ください。
アクアフィリング除去症例(乳房下縁を超えて下降している)
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アクアフィリング(アクアリフト)除去前
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アクアフィリング除去前2
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除去したアクアフィリング
50代 女性 他院アクアフィリング除去
手術過程とダウンタイム
他院にてアクアフィリングを注入後、数年間は問題なく経過していましたが、徐々に右側のアンダーバストラインが下がり始めました。手術を受けたクリニックへ相談したものの、アクアフィリングの除去は行っていないと言われたため、当院で除去手術を行うこととなりました。
乳房下縁を約4cm切開し、生理食塩水を散布してアクアフィリングを軟化させた後、丁寧に除去を行いました。さらに術中超音波エコーを使用し、被膜内に孤立して残存するアクアフィリングがないか確認しながら手術を進めました。
出血や感染所見は認められませんでした。下方へ拡大していた右側のアンダーバストラインは、皮膚と大胸筋筋膜を固定することで本来の位置へ修正し、左右差を改善しました。浸出液も少なかったため、ドレーンは留置せずに手術を終了しています。

手術前
右乳房では乳房下縁を超えてアクアフィリングが下方へ流れています。アクアフィリングは周囲の脂肪や被膜を変性させることがあり、長期間経過すると腹部方向へ広がるケースもあります。

術中エコーによる確認
滅菌カバーを装着した超音波プローブを使用し、アクアフィリングの位置や深さを確認しています。大胸筋や皮下脂肪との境界も明瞭に判別できます。

術中エコーチェック
アクアフィリングを大まかに除去した後のエコー画像です。被膜に包まれたアクアフィリングの残存が確認できるため、追加で被膜を開放して除去を行います。

摘出したアクアフィリング
摘出したアクアフィリングです。脂肪組織やコラーゲン組織が混在しているため、本来透明な内容物に色調変化が認められます。

アンダーバストラインの修正
右側の処置が終了した状態です。下方へ拡大していたアンダーバストラインは、皮膚と大胸筋筋膜を固定することで本来の位置へ修正しています。

摘出物の回収と洗浄
摘出したアクアフィリングを回収した状態です。内腔は生理食塩水で繰り返し洗浄し、感染や残存物がないことを確認して手術を終了しました。

手術1週間後
アクアフィリング除去後1週間後になります。右側に少し痛みがあるものの、血腫、腫れは軽度です。アクアフィリングが原因でおかしくなっていた右の乳房下縁も縫合固定したため、左とそろっており自然な仕上がりです。傷も正面からは見えません。

手術1か月後
アクアフィリング除去1か月後の写真です。乳房下縁をもともとの位置で固定し、良好な結果が出ています。軽度痛みがあるとのことですが、炎症、腫れなく順調な経過です。

手術3か月後
手術後3か月です。1カ月検診以降、腫れはなく、乳房下縁も手術時のまま理想的な位置を保っています。
アクアフィリング除去と同時に行う「シリコンバッグ豊胸」について
アクアフィリングを除去される患者様が最も不安に感じられるのが、「除去後、バストがどれくらい小さくなってしまうのか」「皮膚がたるんでしまわないか」という点です。アクアフィリングには周囲の自己脂肪を溶かしてしまう副作用があるため、除去後は注入前(元のサイズ)よりもバストのボリュームが減少し、皮膚が余ってたるみ(下垂)が生じてしまうケースが少なくありません。
コムロ美容外科では、こうした除去後の著しいサイズダウンやたるみを防ぎ、美しいバストラインを維持・再建するために、アクアフィリングの除去とシリコンバッグ(モティバ・エルゴノミクス2)の挿入を同時に行うコンビネーション手術に力を入れています。
なぜ除去後の組織欠損にシリコンバッグが適しているのか
アクアフィリングは長期滞留に伴い、周囲の自己脂肪組織を融解・変性させる特性があります。そのため、異物を除去した後のバストは単に注入前の状態に戻るだけでなく、自己組織が失われて薄くなり、強い下垂やシワが生じやすい状態にあります。
当院では、失われた容積を同一切開創からシリコンバッグで適切に補うことで、皮膚の引きつれや不自然なへこみを予防し、健康なバストのハリを安全に取り戻す再建アプローチを行っています。
「※使用するシリコンバッグ(モティバ等)の構造や安全性、通常のバストアップ豊胸手術についての詳細は、当院の『[シリコンバッグ豊胸専門ページ]』をご覧ください。」
アクアフィリング除去後の再建に「脂肪注入」をお勧めしない医学的理由
他院では除去と同時の脂肪注入を提案されるケースもありますが、当院では患者様の安全と形態維持を最優先し、除去直後の脂肪注入は原則推奨しておりません。これには3つの明確な医学的根拠があります。
残存ゲルの組織融解作用による、脂肪の早期吸収・壊死
アクアフィリングは周囲の脂肪やコラーゲンを変性・融解させる強い性質を持ちます。徹底洗浄後も組織に残る微小ゲルや慢性炎症の影響により、注入した脂肪は通常よりもはるかに激しく融解・吸収(消失)してしまいます。残った脂肪も硬いしこり(オイルシスト)や石灰化を招くリスクが極めて高くなります。
生着に必要な「血管ベッド(健康な組織床)」の不足
脂肪が生着するには血流の豊富な組織内に分散注入する必要があります。しかし除去後のバスト内部は大きな空洞(死腔)となっており、血流が届かないため注入した脂肪の多くが壊死してしまいます。
下垂したアンダーバストライン(バージスライン)を固定できない
重力で下垂し、乳房下縁を超えて崩れてしまった皮膚や輪郭を、脂肪注入の支持力だけで引き上げることは不可能です。正しい位置へ復元するには、外科的な大胸筋筋膜への縫合固定とバッグの内圧が欠かせません。
【徹底比較】シリコンバッグ同時再建 vs 除去後の脂肪注入
| 比較項目 | 同切開創からのシリコンバッグ同時再建(当院推奨) | 除去後の自己脂肪注入(他院提案) |
|---|---|---|
| ボリューム維持 | ◎ 確実(ゲルの影響を受けず狙い通りの形を維持) | × 不安定(残存ゲルの融解作用で通常以上に早期消失) |
| しこり・石灰化 | ○ 低い(術中エコー確認と徹底洗浄のもと挿入) | × 非常に高い(死腔内での脂肪壊死・オイルシスト多発) |
| アンダーライン修復 | ◎ 解剖学的に可能(大胸筋膜への縫合固定で復元) | × 不可能(組織を引き上げる支持力がない) |
| 手術・身体の負担 | ◎ 1回で完結(傷はアンダー1箇所・ダウンタイム1回) | × 複数回(胸に加え太もも等の脂肪吸引の侵襲・傷が増加) |
※自己脂肪注入をご希望される場合は、安全のため除去から最低半年以上経過し、組織の炎症が完全に沈静化してから二次手術として検討することを推奨します。
同時手術(除去+シリコンバッグ豊胸)の3つのメリット
1.傷跡が1箇所(アンダーバスト)だけで済む
当院では、アクアフィリング除去において「乳房下縁(アンダーバスト)切開」を強く推奨しています。この切開ラインは、シリコンバッグを挿入する際のアプローチとしても非常に優れています。除去のために設けた約4cmの切開創をそのまま利用してバッグを挿入するため、バストに新たな傷を増やすことなく、傷跡も下着のラインに隠れて目立ちません。
2.手術とダウンタイムが1回で終わる
除去手術と豊胸手術を別々の時期に行う場合、全身麻酔や術後の痛み・腫れといったダウンタイムを2回経験することになります。同時に行うことで、身体的・精神的なご負担、そしてお仕事などのお休み(スケジュール)の負担を最小限に抑えることができます。
3.精神的な喪失感を防ぎ、美しい形を再建できる
「せっかく大きくしたバストを失うのが怖くて、異常を感じているのに除去に踏み切れない」という方は多くいらっしゃいます。同時手術であれば、眠っている間に除去と再建が完了するため、目覚めたときにバストがなくなってしまう喪失感を味わうことなく、安心してお過ごしいただけます。また、下方へ拡大してしまったアンダーバストラインの修正と縫合固定を同時に行うことで、より自然で形の良いバストを作り直すことが可能です。
「除去単独」と「同時再建」の違い
| 比較項目 | 同一切開創からの同時再建(除去+バッグ) | 除去単独(抜去のみ) |
|---|---|---|
| 除去後の皮膚状態 | バッグで適度な内圧を保ち、皮膚のたるみ・シワ・下垂を防ぐ | 脂肪融解と急激なボリューム減により、風船がしぼんだようなたるみが出やすい |
| アンダーラインの左右差 | 下方に流れたポケットを修正・大胸筋固定し、同時に形態を整える | 伸びた皮膚や下がったラインがそのまま残り、変形が固定化しやすい |
| 手術・身体の負担 | 切開創1箇所(乳房下縁)・麻酔1回・ダウンタイム1回 | 後日改めて再建を希望する場合、再度全身麻酔と切開が必要になる |
| 手術の前提条件 | 術前・術中に明らかな細菌感染・強い化膿がないこと | 感染や高度の炎症がある場合は除去単独を優先 |
同時手術を安全に行うための【当院の条件とこだわり】
アクアフィリングの除去直後にシリコンバッグを入れることは、技術的に高度な判断を要します。当院では安全を第一に考え、以下の条件と処置を徹底しています。
徹底した洗浄と術中エコーチェック
バッグを入れるスペースに異物が残っていると、被膜拘縮(カプセル拘縮)や感染のリスクが高まります。当院では生理食塩水で洗浄液が完全に透明になるまで内腔を繰り返し洗い、さらに術中超音波エコーを用いてアクアフィリングの取り残しがないかリアルタイムで徹底的に確認した上で、バッグを挿入します。
感染(化膿)が疑われる場合は同時手術を行いません
術前のエコー検査や術中の所見で、アクアフィリングによる明らかな細菌感染や強い炎症が認められた場合は、安全を最優先し、バッグの挿入は見送ります(まずは除去と洗浄のみを確実に行い、炎症が完全に落ち着いてから後日改めて豊胸術をご提案します)。
バストの健康を取り戻しつつ、美しい女性らしさも諦めたくないという方は、ぜひ一度、大阪・心斎橋のコムロ美容外科にご相談ください。麻酔科専門のバックグラウンドを活かし、痛みを抑えた安全な全身麻酔下で、除去から再建まで責任を持って執刀いたします。
アクアフィリング除去 + シリコンバッグ同時再建術
症例1
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手術前
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手術後 3か月
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概要
50代女性のアクアフィリング(アクアリフト)除去とコヒーシブシリコンバック挿入を同時に行った症例になります。
主訴・お悩み
他院注入後数年で右胸のアンダーバストラインが下方へ流出。異物除去を希望される一方、自己脂肪の融解による除去後の激しいサイズダウンと皮膚のたるみを懸念。
術式
乳房下縁切開(約4cm)よりアクアフィリング軟化除去+術中エコーによる残存確認+大胸筋筋膜固定によるアンダーライン再建+シリコンバッグ同時挿入。
医師の解説
漏出したアクアフィリングを生食軟化・術中エコー確認のもと徹底除去しました。除去により生じる皮膚の余剰(たるみ)と組織欠損を補うため、同一切開創からシリコンバッグを挿入してバスト形態を再建。さらに下垂したアンダーラインを大胸筋膜に縫合固定し、左右差のない自然なバストラインへ修復しています。
症例2
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手術前
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手術後 1か月
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術中(エコー検査)
主訴・お悩み
10年前に他院で2回アクアフィリング注入を受けた患者様。左側は流出後に他院で洗浄処置を受けたものの残存し、右側にもアクアフィリングが残っていました。異物をしっかり除去しつつ、バストの形やサイズも整えたいとのご希望から、当院でアクアフィリングの根治的除去とモティバ250ccのシリコンバッグ挿入を同時に行いました。
医師の解説
今回の修正手術において、美しいバストを再建するために特にこだわった技術的なポイントは以下の2点です。
1. エコー下での徹底的な洗浄・掻き出し
アクアフィリングは組織に浸潤しやすく、盲目的な掻き出しでは必ず取り残しが生じます。当院では乳房下縁を切開し、術中超音波エコーを駆使して残存するアクアフィリングを完全にマッピングしました。孤立したカプセルを確実に破り、徹底的な洗浄と物理的な掻き出しを行うことで、将来的な感染やしこりのリスクを根絶する「根治手術」を行っています。
2. 筋膜ー真皮固定によるアンダーバストの再構築
左胸はアクアフィリングの重みと下垂により、本来のアンダーバストの位置が下に伸びてしまっていました。このままバッグを入れると左右の高さがズレてしまうため、モティバ250ccを挿入する際、下がった乳房下縁を適正な位置に引き上げ、数箇所にわたって「筋膜と真皮を縫合固定(筋膜ー真皮固定)」する高度な手技を用いています。これにより、左右対称で美しいアンダーラインを再構築しました。
他院で断られやすい困難な修正手術ですが、正しい診断とエコーを用いた繊細な外科的手技により、異物除去と美しいバストの再建を同時に叶えることが可能です。
アクアフィリング除去 手術の流れ
STEP 1診察
注入部位、注入量をお聞きさせていただき、現在の状況をお聞きします。
数年経過後から、膨らんだり周囲に流れたりすることが多いと言われています。バスト以外にも注入例があります。部位にあった除去方法を提案します。
超音波エコーを行い、注入層、範囲を測定します。
STEP 2麻酔
バストのアクアフィリング(アクアリフト)除去の麻酔は、全身麻酔で行います。
STEP 3手術
バストの場合は、主に乳房下縁(アンダーバスト)を切開して手術を行います。アクアフィリングは乳腺下に注入されていることが多いですが、時間の経過とともに乳房下縁を超えて腹部や中腋窩線(脇の近く)のあたりまで広く流れているケースが少なくありません。
まず生理食塩水を大量に散布し、アクアフィリングを十分に液状化(軟化)させたうえで入念に除去・洗浄を行います。アクアフィリングの周囲では、脂肪組織やコラーゲン被膜が吸収・変性していることが多いですが、大胸筋や乳腺そのものへの影響は比較的少ないため、これらを傷つけないよう慎重に進めます。
【当院のこだわり】超音波エコーによる「術中徹底チェック」
アクアフィリングは、一見きれいに除去できたように見えても、強固なコラーゲン被膜(カプセル)の中に小部屋のように分かれて隠れている(コンパートメント化している)ことが多々あります。他院ではエコーは使わない、もしくは手術前の診断のためにしか超音波エコーを使っていません。
そのため当院では、目視での除去・洗浄が終わった段階で、必ず手術中に再度「超音波エコー」を使用し、内部をリアルタイムで精密に確認します。もしエコー上で取り残したアクアフィリングや、未開放の被膜(カプセル)が見つかった場合は、その場ですぐに被膜を破り、完全に液状化させて徹底的に掻き出し・除去を行います。この「術中エコーによる二重チェック」を行うことで、ブラインド(勘に頼った)操作による取り残しを最小限に防ぎます。
内腔を繰り返し洗い、洗浄液が完全に透明になるまで妥協せずに行います。また、取り出したアクアフィリングは全例で培養検査に提出し、潜在的な感染の有無を調べます。出血は多くはありませんが、術後に溜まる浸出液をスムーズに排出させるため、手術終了時にJ-VACドレーン(細い管)を留置することがあります。
STEP 4術後経過と検診
翌日、検診に来ていただき、抗生剤の点滴を行います。
出血や廃液が少なくなってきているのを確認後、ドレーンを抜去します。
7日目検診、1か月検診、3か月検診を行います。
STEP 5術後のバスト状態検査
1か月検診でエコー検査を行い、バスト状態をチェックします。エコーでは、取り切れなかったアクアフィリング(アクアリフト)が見つかることもありますが、少ない場合は経過観察とします。同時に豊胸術を行った場合には、バッグの状態も併せて調べることが可能です。
アクアフィリング(アクアリフト)除去は簡単?難しい?その理由を解説
アクアフィリングの除去がスムースにできる場合と、非常に難易度が高い場合とがあります。その理由と治療法について解説します。
難しい状態1.アクアフィリング(アクアリフト)注入後の安定期の場合
アクアフィリング(アクアリフト)注入後の安定期は、筋肉のような張りと適度な硬さがあります。エコーで調べてみると、アクアフィリング(アクアリフト)をコラーゲン被膜が包み込んだ、円盤状の固まりが皮下に散在しています。
この段階では、アクアフィリング(アクアリフト)を吸引したり、押し出そうとしても、流動性が極めて低いため、取り出しが困難です。そのため、生理食塩水を注入しアクアフィリング(アクアリフト)を軟化させてから除去を行うのですが、固まりが各々被膜で区切られているため、すべての固まりに対して個別に処置を行う必要があり、非常に手間がかかります。
治療としては、超音波エコー下に生理食塩水を散布し、掻き出し、もしくは吸引が必要です。
難しい状態2.アクアフィリング(アクアリフト)注入層がそもそも間違っている場合
当院でアクアフィリング豊胸を行っていた際は、乳腺下のみに注入していました。そのため除去も比較的容易で、乳腺や大胸筋のダメージも少なかったのですが、他院で注入された患者様の例では、皮下脂肪層、乳腺内、大胸筋内に注入した症例を目にします。おそらく脂肪注入と同じ手技でアクアフィリングを注入されたと思います。
治療法としては、超音波エコーのガイド下に、アクアフィリング注入層に生理食塩水を注入→軟化したアクアフィリングを吸引という作業が必要です。
アクアフィリング(アクアリフト)除去が比較的容易な状態
アクアフィリング注入部位が膨らんだり、流れたりした場合、いわゆる炎症期が、取り出ししやすくなります。
アクアフィリングが炎症を起こし、周囲の組織を溶かすことで、アクアフィリングの固まりの周囲の被膜が溶解し、柔らかくなります。多くの患者様がお体の異常に気づくのは、多くの場合このタイミングです。
感染症の併発も考慮したうえで治療を進めるひつようがあります。このような状態になったら、速やかに受診していただき、アクアフィリング(アクアリフト)の除去をお勧めします。
JSAPS・FDAの見解と発がん性のリスク
発売当初は安全とされたアクアフィリングですが、現在は国内外で報告されている深刻な合併症やトラブルを受け、医療機関や学会から厳しい警告が出されています。また、「乳がんになるのでは?」という不安を抱えて来院される患者様も少なくありません。ここでは国内外の見解と、現在の医学的な考え方について解説します。
国内外の主要学会・規制機関(JSAPS・FDA)による警告
JSAPS(日本美容外科学会)の見解
日本の美容外科界を牽引するJSAPSを含む主要学会では、このような非吸収性充填剤(溶けないジェル)を豊胸目的で使用することについて、安全性の担保が困難であるとして否定的な見解を示しています。
FDA(米国食品医薬品局)の規制
世界でも特に厳格な審査基準を持つFDAは、重篤な感染症や組織変形、広範囲への移動リスクなどを理由に、豊胸目的での使用を承認していません。また、美容医療が盛んな韓国でも、すでに使用禁止措置が取られています。
アクアフィリングに発がん性(がん化)のリスクはあるか?
患者様から最も多くいただく「乳がんになりますか?」というご質問に対する、現在の医学的見解です。
【結論】
アクアフィリングそのものが直接乳がんを引き起こすという明確なエビデンスはありません。しかし、「乳がんの早期発見を著しく妨げる」という深刻な間接的リスクがあります。
成分の不安定性と慢性炎症
アクアフィリングは、過去に世界中で健康被害を出して禁止されたPAAG(ポリアクリルアミドゲル)と成分が酷似していることが専門家の研究で指摘されています。体内で長期間放置されることで、周囲組織に慢性的な炎症を引き起こし続けるリスクがあります。
乳がん検診(マンモグラフィ・エコー)への悪影響
ジェルが形成するしこりや、組織にしみ込んだ影が、マンモグラフィや乳腺エコーの画像上で本物の乳がんと非常に見分けがつきにくい状態を作ります。その結果、初期の乳がんを見落とすリスクが高まるほか、不要な精密検査や組織生検を繰り返す原因にもなります。
直接的ながん化を示す証拠はありませんが、将来の乳がんリスクを正確に評価できる状態を維持するためにも、違和感や変形を認めた場合は早めに専門医へ相談し、術中エコーチェックが可能な医療機関での除去を検討することが重要です。
アクアフィリング(アクアリフト)除去 手術費用
| 項目 | 費用(税込み) |
|---|---|
| アクアフィリング除去 | 550,000円 |
| アクアフィリング除去 + 豊胸手術 | 1,320,000円 |
| 全身麻酔費用 | 110,000円 |
| 手術中の超音波エコー | 13,200円 |
| その他の費用 | 採血、圧迫下着等の費用が必要です。 |
※当院にてアクアフィリング注入をされた方の除去は、手術費用は無料です。別途麻酔代、お薬代がかかります。
※モニター募集しています。施術費用でお困りの方は、スタッフにご相談ください。
アクアフィリング(アクアリフト)除去の留意点
| 麻酔 | 全身麻酔 |
| アプローチ | 乳房下縁を切開して手術をおこないます。 |
| 所要時間 | 120分程度 |
| 腫れ | 1週間程度 腫れ予防のために当日テーピング行います |
| ドレーン | 出血や浸出液の排出のために、翌日まで留置します。 |
| 施術の痛み | 筋肉痛のような痛みが出る可能性があります |
| 通院 | 7日後、1か月検診、3か月検診 |
| ダウンタイム | 腫れは2~3週間くらいあります。痛みは3日~1週間、腫れや内出血は2週間程度で治まります。 |
| 飲酒 | 腫れがある程度引くまでお控えください |
| シャワー・入浴 | 施術部位以外は当日可能。入浴は抜糸後から |
同時に豊胸を行う場合
モディバエルゴノミクスを使用し、アクアフィリング除去後のバストのたるみや、サイズダウン軽減効果があります。感染を認めた場合は、同時には行えません。
*年に1回はバッグの状態確認と、悪性腫瘍検診のために超音波エコーの受診をお勧めしています。(有料になります。)
▶超音波エコー検査の詳細を見る
<施術の副作用(リスク)>
胸部の張り(硬さ)・左右差・痛み・かゆみ・感染症・筋肉痛・被膜拘縮・腫れ・浮腫み・内出血・出血・血腫・大きさの物足りなさ・再手術の可能性等
血腫(ご手術後一意的に発症します)は時間の経過と共に改善されます。
アクアフィリング(アクアリフト)除去についてよくある質問
Q.アクアフィリング除去は、脇からの手術はできますか?
A.アクアフィリング(アクアリフト)は、注入直後と比べて下方へ流れている方をお見掛けします。脇アプローチは傷が目立たない反面、除去しきれない可能性が高くなります。
バストが大きくなっている分、乳房下縁切開でも傷はあまり目立ちません。できる限り除去を行い、再手術の可能性を減らすために、アンダー切開をお勧めします。
Q.アクアフィリング除去のみでも可能ですか?
A.アクアフィリング(アクアリフト)除去のみでも可能です。しかし、脂肪などの組織が吸収されているため、豊胸術前よりもバストサイズは小さくなります。
Q.アクアフィリング除去とバストの脂肪注入を同時に行えますか?
A.基本的にはお勧めしません。バストへの脂肪注入は、皮下脂肪層、乳腺下、大胸筋内に行います。アクアフィリング(アクアリフト)除去と同時に行う場合、脂肪注入できるレイヤーが限られること、残存アクアフィリング(アクアリフト)の影響で脂肪が溶解しやすいなどの理由から、同時手術はお勧めできません。しかしながら、術後3か月以降でバストの状態が安定していれば、バストの脂肪注入は可能です。
監修医情報
- 医師
- 医療法人秀晄会コムロ美容外科(大阪・心斎橋)
院長 池内 秀行(いけうち ひでゆき)
- 経歴
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- 1996年 神戸大学医学部卒業・同大麻酔科入局
- 2000年 大手美容外科 入職
- 2001年 コムロ美容外科入職
- 2006年 心斎橋コムロ美容外科クリニック 院長就任
- 資格
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- 日本麻酔科学会会員
- 麻酔科標榜医
- 日本美容外科学会(JSAS)会員
- 美容外科(JSAS)専門医
- アラガンボトックスビスタ認定医
- アラガンジュビダームビスタ認定医

