下顎骨Vライン形成
下顎骨Vライン形成
下顎骨Vライン形成とは、下顎骨の横幅を狭めて、フェイスラインをできる限りとがらせる方法です。下顎骨が長い場合には、従来の下顎骨ブーメランカット法で、頤先端を控えめに切除しつつ、下顎骨側面を大きく切除することで実現可能です。
それに対して、下顎骨Vカット法は、顎(あご)を細くするだけではなく、顎の横幅の減少・左右非対称、長さの短縮もできる施術です。
顎骨切りはこういった方に向いています
- 下顎骨のフェイスラインをV字型にしたい方
- 顎(あご)の横幅を細くしたい方
- 下顔面はあまり長くないが、下顎全体を細くして小顔にしたい方
- 顎(あご)の骨切り後の丸みをシャープにしたい方
下顎骨Vライン形成の手術方法
1.
下顎Vライン形成の適応のある方は、顎があまり長くなく下顎ブーメランカットの適応のない方、顎の長さをあまり変えずに顎の骨の横幅を狭くする方が適応になります。

2.
オトガイ先端を中抜き法のごとく水平骨切りのデザインを行い、オトガイ先端骨片の中央を横幅8~12㎜幅程度で切断します。その際、骨片の栄養血管をできるだけ傷つけないようにします。

3.
水平骨切りを行います。 その際、顎を短くする適応のある方は数ミリ単位で切除します。

4.
左右のオトガイ骨片を正中に移動させて固定します。下顎下縁の段差を切り取り滑らかにします

5.
下顎下縁の段差を切り取ったあと、必要に応じて断端を削ります。

6.
左右の骨片と下顎骨をそれぞれチタンプレートで固定します。Eラインのバランスを見て、必要に応じてオトガイ先端の骨片を前方にずらして固定します。

下顎骨Vライン形成の手術の流れ
- 1.カウンセリング
- 患者様の希望の輪郭をお聞きして最適な手術方法をご提案します。
頬、下顎の脂肪吸引や、エラボトックスなど、他の施術も併せてご提案させていただくこともあります。
- 2.検査
- 提携クリニックで、胸部正面、頭蓋骨の2方向からのレントゲン検査を行います。
レントゲンデータを用いてオトガイ先端の骨切除幅、オトガイを前方にどのくらいずらすかなどを計測します。
- 3.麻酔
- 全身麻酔を行います。術後の麻酔からの回復が早くなるように、従来のガス麻酔ではなく、TIVAと呼ばれる静脈麻酔薬で全身麻酔を行います。 手術中は、生体モニターで、心拍数、血圧、換気量を測定し安全に麻酔を行います。
- 4.手術
- 下顎の粘膜を第5歯から第5歯まで切開し、骨膜の下を剥離します。その際おとがい神経を傷つけないようにしながら剥離を行います。
骨切り後、オトガイ先端の骨片はチタンプレートにて固定します。
- 5.手術終了~帰宅
- 麻酔からの覚醒後、リカバリールームにて数時間休んでいただきます。
痛みは鎮痛剤を使いますので、帰宅時には自制内に収まることがほとんどです。歩行が可能になり、覚醒が確認できましたら帰宅していただきます。
手術当日は、緊急連絡先をお知らせしますので、ご安心ください。
- 6.手術翌日
- 午前中に来院いただき、リカバリールームにて点滴を行います。
抗生剤、止血剤、鎮痛剤などの投与し、出血が少なくなったのを確認してドレーンチューブを抜去します。
- 7.術後7日~14日
- 口腔内とドレーンの部分の抜糸を行います。
おとがい神経が損傷していなくても、おとがい先端の感覚は鈍いですが、徐々に改善しますのでご安心ください。
- 8.術後1か月検診
- 骨切りに伴うたるみやツッパリ感の改善目的に、脂肪溶解や腫れ改善効果のあるアルフォコリン注射、ケナコルト注射のアフターケアが含まれています。2週間の間隔で3回行います。
- 9.術後3か月検診
- 腫れや固さ、感覚がほぼ正常化する時期です。骨切りによる皮膚のたるみもほぼ消失してきています。
下顎骨ブーメラン型骨切り術と下顎骨Vライン形成とのちがいとは?
下顎骨Vブーメラン型骨切り術は、一番スタンダードな手術です。顎を短くする際に合わせて下顎骨側面を切除しますが、顎が長い方が適応の手術です。
また、Vライン形成では、オトガイ骨片を前方にずらしてEラインを修正できるのに対して、下顎骨ブーメラン型骨切り術でおとがいを前に出したい場合、シリコンインプラントや人工骨などが必要になります。
顎を短くしたい場合には、下顎骨ブーメラン型骨切り術を、Eラインを自分の骨で修正したい場合には、下顎骨Vライン形成のむいています。
‐ | ブーメラン型骨切り術 | 下顎骨Vライン形成 |
顎先を細くする | 〇 | 〇 |
下顎の短縮 | 〇 | △ |
プレートの使用の有無 | 使用しない | 使用する |
Eライン形成 | インプラント必要 | 可能 |
顎の横幅の縮小 | ◎ | 〇 |
下顎骨Vライン形成と同時に行うことの多い手術
→頬、顎下脂肪吸引
下顎骨骨切りと同時に手術ができ、効果が実感しやすい手術です。耳の付け根に3㎜程度の吸引孔を作成し、皮下脂肪を吸引します。 手術の麻酔は、静脈麻酔や局所麻酔か静脈麻酔ですが、全身麻酔中に行うことで痛みなく行えます。
下顎骨骨切り単独で行った場合と、脂肪吸引も同時に行った場合とを比較しても、ダウンタイムの違いはほとんどありません。
脂肪吸引の際に、真皮やSMASの表面に微細な傷を作ることで、治癒の過程で拘縮がおきたるみが少なくなる効果があります。
傷口は左右の耳の前2か所に3㎜程度の吸引孔を作成します。(場合によっては、顎先に1か所追加します)
手術時間は40~60分です。フェイスバンテージを使って2~3日間、術後圧迫を行います。
下顎骨Vライン形成の手術費用
項目 | 費用(税込み) |
---|---|
下顎骨Vライン形成 | 1,100,000円 *全身麻酔費用をふくむ |
下顎骨Vライン形成の留意点
所要時間 | 150分程度 |
腫れ | 7~10日間程度 腫れ予防のために当日テーピング行います。 |
内出血 | まれに顎下にでる可能性があります。 |
ドレーン | ドレーンを留置します。通常翌日抜去 |
通院 | 翌日、14日後、1か月検診 3か月検診 |
麻酔 | 全身麻酔 |
洗顔 | 翌日から可 |
飲酒 | 腫れがある程度引くまでお控えください |
シャワー・入浴 | 施術部位以外は当日可能。入浴は2~3日後から。 |
骨癒合が完成する6か月以降に、チタンネジ、プレートの抜去が可能です。
夜間緊急連絡について
出血のリスクのある特定の手術については、夜間も院長につながる電話連絡先を、帰宅時にお伝えします。一般救急病院に連絡しても、美容外科手術の知識がないため対応をことわられるケースの方は多いといわれています。まず、異常を感じた場合には、緊急連絡番号にお電話お願いします。