しわ取り ボトックス注射
しわ取り ボトックス注射
注射1本で気になるしわが解消できる、5分程度で治療が終わるのが、ボトックス注射です。ヒアルロン酸注射と同様にダウンタイムが短い、プチ整形感覚で行える美容治療ですが、使う場所、打ち方によってヒアルロン酸以上に様々な効果を発揮します。
そもそも、ボトックスとは?
ボトックスは、アラガン社の商標を持つボツリヌスA型毒素が成分になります。ボツリヌスA型毒素に動物性タンパク質を組みあわせて加工し、安全に使えるようにしたのがボトックスになります。保険診療では、眼瞼けいれんの治療などでも使われており、使用法を間違わなければ、安全に使える薬剤になります。
ボトックスの使用部位、効果
ボトックスには注射部位、量、打ち方で様々な使い方があります。
1.表情しわ治療 代表的な部位 前額、眉間、目尻、顎、首など
筋肉の動きによってできるシワを表情しわといい、美容的に好ましくない表情しわをできにくくするボトックス治療です。
2.筋肉の減量 エラ(咬筋)、ふくらはぎ、など
筋肉には使わないと萎縮してやせるという性質があります。代表的な部位としては、エラの咬筋やふくらはぎの腓腹筋などですが、ボトックスで特定の筋肉をを動きにくくすることで、筋肉の減量を狙った治療法になります。一回でも効果はありますが、数回治療によってさらに筋肉の減量効果が期待できます。
3.多汗症をボトックスで治療 脇、手のひら、など
腋窩の汗を出す分泌腺であるエックリン汗腺をブロックすることによって、わきの汗の量を少なくする治療法です。
前額(おでこ)ボトックス
前額(おでこ)ボトックスとは、前額にできる横じわの原因となる、前頭筋をボトックスの効果で止めてしまう治療法です。年齢以上に見られてしまう、おでこの小じわを改善することで若々しい印象をつくることが可能です。
前額(おでこ)ボトックスの注意する副作用
前額ボトックスには、やや発生の頻度が高く、注意すべき副作用として眉毛下垂があります。
Q.瞼が重い、開きにくくなる
A.オデコにしわができる方の過半数が眼瞼下垂を合併しています。眼瞼下垂のせいで目の開きが悪いと、無意識のうちに眉毛を上げることで目の開きを良くします。
そのためオデコにしわが入るのですが、眉毛までボトックスが効いてしまうと二重が狭くなる、目が明かなくなるという症状がでます。十分眉毛から離して注射しますが、眉毛下垂がアセチルコリン製剤での治療が可能ですし、3~4か月で元に戻ります。
Q.目尻側の眉毛が上がる、眉毛の位置の左右差がでる
A.ボトックスの効きが左右で違う場合、眉毛の左右差が出ます。効果が不足している部位があれば追加注射で修正可能です。
前額ボトックス注射で注意を要する病気 眼瞼下垂
眼瞼下垂とは、瞼を開く眼瞼挙筋が、あまり動いていない、瞼板との付着部が外れたり、緩んだりしているのが原因で、目の開きが悪くなる症状をさします。
眼瞼下垂があると、眉毛を上げる癖がある方が多く、ボトックスが過剰に効いてしまうと、眉毛が上がりにくくなる結果、二重が狭くなったり、開瞼幅が狭くなる可能性があります。 おでこのしわが深い方で、おでこのしわが気になる方は、眼瞼下垂の治療をされることをおすすめします。
眉間ボトックス
眉間ボトックスとは、眉間のしわの原因となる、皺眉筋(しゅうびきん)と鼻根筋(びこんきん)の2つの筋肉にボトックスを注射することで、眉間のしわを浅くしたり、入らなくすることが可能です。眉間のしわは、怒ったり不機嫌な時、など負の感情があるときに出やすく、ボトックスで入りにくくすることで、あなたの印象をより一層よくします
眉間ボトックスはこういった方に向いています。
- 眉間にすでに入っているしわを浅くしたい
- 怒っているように見られる原因の、眉間のしわを改善したい
眉間ボトックスとは
眉間のあたりの皺眉筋(しゅうびきん)と鼻根筋(びこんきん)に5~6か所ボトックスを注射します。1か所あたり3~4単位、合計20単位を使用します。
3~7日程度で効果を発揮し、4~5か月効果が持続します。
眉間ボトックスの副作用
眉間ボトックスの副作用はあまりありません。内出血、赤み、などあ出る可能性がありますが、数日で改善します。
眉間のしわに効果的なそのほかの治療
ヒアルロン酸注射
眉間のしわ治療せずに長期間経過したり、高齢者の場合、表情を作っていないのに深い眉間のしわが刻まれている場合があります。その場合ボトックスだけでは、平常時の眉間のしわを大きく改善することは不可能です。
その際はアラガン社製のボリューマなどのヒアルロン酸をお勧めします 折り目がついて薄くなった真皮部のヒアルロン酸を注入することで、しわを持ち上げ、薄くすることが可能です。
目尻ボトックス
目尻ボトックスとは、目を閉じた際に目尻側にできる3本のしわの治療法になります。カラスの爪痕ともいわれる目尻側のしわは、眼輪筋の働きで目を閉じたときに目尻にできる3本の表情しわになります。若い人にはあまり見られず、年齢以上に老けて見られてしまうシワです。
目尻から1.5㎝程度離して、しわとしわの間にできる眼輪筋のふくらみにボトックスを
10~12単位注射します。効果は3~7日で現れますが、笑ったときにも、目尻にしわがはいりにくくなります。
目尻ボトックスの副作用
あまり副作用はありませんが、内出血、腫れ、赤みや、左右での効き方の差が出る可能性があります。しばらくたてば改善してきますが、左右差が残っている場合には、効果の不足部位にボトックスを追加注射を行います。
エラボトックス(咬筋ボトックス)
エラボトックス注射とは、エラの部分にある咬筋と呼ばれる力こぶの部分に、ボツリヌス毒素を注射することで、歯をかみしめた時の力こぶを数か月間無くしたり、同部位の痩せを起こさせる治療方法になります。
エラを小さく目立たなくする手術としては、エラ骨切り(下顎角骨切り)がありますが、エラボトックス注射はダウンタイムはほとんどない、メスを使わない小顔治療法です。
エラボトックス注射はこういった方に向いています。
- 小顔にしたい
- 手術をせずにエラを引っ込めたい
- 歯ぎしりを治したい
エラボトックスについて
国内正規品のアラガン社製ボトックスビスタと、 韓国デウン製薬製、ナボタから選べます 左右各40単位になります。
エラにボツリヌストキシンを注射することで、一定期間エラの咬筋を動かなくするだけではなく、廃用性委縮によって半永久的にエラの咬筋を小さくすることが可能です。
口角ボトックス
口角ボトックスとは、口角を下に引き下げる口角下制筋にボトックス注射をすることで、口角を引き上げる治療になります。
口角が下がっていると、老けて見えたり、悲しそうに見えたりします。口角ボトックスはダウンタイムや副作用が少なく、お勧めのボトックス治療法です。
口角ボトックスこういった方に向いています
- 口角が下がっているのが気になる。引き上げたい
- ダウンタイムが短い方法で口角を引き上げたい
- 若々しい印象にしたい
口角ボトックスについて
口角下制筋の付着部に左右3ポイント合計10~12単位を注射します。 効果は、3~7日で出てきます。
口角ボトックスの副作用
内出血、腫れ、口角の引きあがり方の左右差が出る可能性があります。 効果が少なければ追加注射で修正可能です。
おとがいボトックス(顎ボトックス)
顎ボトックスとは、顎先のしわを伸ばしつるつるの状態にする治療法になります。加齢とともに、顎先の皮下脂肪の減少、肌の弾力性の低下、たるみによって顎先凹凸が出ます。梅干しシワとも呼ばれるこのしわは、年齢以上に老けて見られたり、機嫌が悪そうに見えたりとネガティブの印象を与えてしまいます。 ボトックスで簡単に顎先のしわを治しましょう。
おとがいボトックス(顎ボトックス)とはこういった方に向いています
- 顎先の凹凸が気になる。
- 表情を作ったとき顎先にシワがでる。
おとがいボトックス(顎ボトックス)の副作用
顎ボトックスは、あまり副作用はありませんが、内出血、腫れ、赤みが出る可能性があります。オトガイ筋の外側に注射する際は、口角下制筋に注射しないように注意深く行っています。
ボトックス以外にも顎のしわに効果的な治療「ヒアルロン酸注入」
顎先の皮膚が薄い、しっかりシワが刻まれている場合には顎ボトックス以外にヒアルロン酸注射が有効です。やや深い層にヒアルロン酸を多めに注入して顎先を出してしわを伸ばす、皮膚が硬くてシワが刻まれている場合には、シワ直下の真皮層にヒアルロン酸を注射してしわを伸ばす方法があります。 ボトックスと同時に注射すると、水分を吸収したヒアルロン酸が流れる可能性があるため、期間をあけての注入をお勧めします。
バニーライン(鼻ボトックス)
バニーラインとは、笑ったり、怒ったり、目を細めたりした際にできる目頭から鼻に入る世小じわを意味します。バニーラインの原因となる筋肉は、鼻根筋、鼻筋、眼輪筋などがありますが、少量ずつ注射することで、しわの治療を行います。
バニーラインボトックス治療はこういった方に向いています
- バニーラインにしわを浅くしたい
- 大がかりな手術ではなく、簡単にしわを浅くしたい
バニーラインボトックスの副作用
バニーラインボトックスに大きな副作用はほとんどありません。内出血、赤み、腫れなどが出る可能性があります。
首ボトックス(広頚筋ボトックス)
広頚筋とは、首の前面の皮下直下にある薄い筋肉です。驚いたり、びっくりしたときに筋肉が収縮することで、首の皮膚を引き締める役割があります。加齢とともに、肌の弾力性が失われたるむことで首の小じわが問題となってきます。
広頚筋ボトックスとは、広頚筋を少量のボトックス注射をすることで、しわを伸ばしたり、お顔のタルミ改善効果のある治療法になります。
広頚筋ボトックスはこういった方に向いています
- 首のタルミが気になる
- 首の横しわが気になる
広頚筋ボトックス(首ボトックス)の仕組み
首の皮膚の下には薄い脂肪層の下に広頚筋があります。筋肉は普段の時も少し緊張しているのですが、ボトックスを注射することで、筋肉が収縮しないだけではなく、完全に弛緩します。それによって筋肉を雨後がしていない際にできている小じわを伸ばすことが可能です。
広頚筋ボトックス(首ボトックス)について
ボトックス20単位を34Gの極細の針を使って注射していきます。3㎝感覚でごく少量ずつ皮下直下の広頚筋に注射することで首のしわを引き延ばします。
肩ボトックス(肩こりボトックス)
肩ボトックスとは、がちがちに拘縮した首、肩背中の筋のボトックスを注射することで、筋肉の緊張を解除し、肩こりや筋肉のふくらみを、長期間改善する治療法になります。肩こりは、肩や首、背中の僧帽筋が拘縮し固まることで、筋肉内を走行する血管や神経が圧迫されることで、鈍痛や、けだるさを感じる症状を指します。
なで肩にしたいといった方にも効果的な治療法になります。
肩ボトックス(肩こりボトックス)はこういった方に向いています
- 肩こりに悩んでいて、マッサージではなかなか改善しない方
- 肩のラインをなで肩にしたい方
肩ボトックスについて
肩こりの原因とる筋肉は、僧帽筋、肩甲挙筋、頭半棘筋などであり、運動不足や、長時間のバランスの悪い姿勢が続くことで筋肉が拘縮し、血流が悪くなることで筋肉内に乳酸などの疲労物質がたまり、倦怠感、痛みを生じます。
拘縮した筋肉は、マッサージや運動でも改善をしますが、速やかに拘縮改善効果があるのがボトックス治療です。
ターゲットとなる肩の筋肉は分厚い皮膚、脂肪層の下にあり、注射場所以上に、注射針の長さ、注射の深さが重要になります。筋層から離れた浅い層にボトックスを注射しても、効果は期待できません。
当院では、超音波エコーで筋層の深さを測定し、適切な針の長さ、深さを選択し、いわゆるツボに注射します。
ツボとは、筋肉の拘縮が特に強い部分であり、的確にボトックスを注入することにより、同部位の筋肉の弛緩をえられ、肩こり症状の改善が期待できます。
筋肉量が多いため、ボトックスは1か所あたり6~12単位、合計100単位を使用します。
肩こりの原因
最近特に増えている肩こりの原因としては、パソコンモニターやスマホ操作のために斜め下をずっと見る時間が長くなった生活習慣が関係しています。重さが5~6㎏はあるとされる頭部は、本来正面長時間見るように、できています。それが斜め下を見る体勢では、頭部を支える、肩こりに関係する筋肉が過度に緊張し、戻らなくなることを拘縮といいます。
長時間のデスクワーク後は、ストレッチを行う。適度に運動を行うなど、首や肩の筋肉が拘縮しないよう日頃から気をつけましょう。
肩こりボトックスの副作用
内出血、腫れ、重たいもの持ち上げにくいといった副作用が出る可能があります。数日で改善することがほとんどです。
ふくらはぎボトックス
ふくらはぎボトックスとは、ふくらはぎの印肉にボトックスを注射することで、ふくらはぎの筋肉を動きにくくすることで、ふくらはぎの筋肉をやせさせる治療法になります。
ふくらはぎボトックスはこういった方に向いています。
- ふくらはぎの筋肉が太いのでやせたい
- 手術以外でふくらはぎを細くしたい
ふくらはぎボトックスの特徴
筋肉の萎縮効果を期待するボトックス治療は、これ以外にエラのボトックス注射があります。ただし、ふくらはぎの筋肉量がエラと比べて格段に多いため、ボトックスもエラボトックスよりもたくさん必要になります。 お勧めは200単位ですが、最大300単位が可能です。
ふくらはぎボトックスの副作用
ふくらはぎボトックスには、大きな副作用はありません。
内出血、腫れ、ふくらはぎボトックスの痩身効果は筋肉が痩せてくるまでに時間がかかるため、2~3か月後になります。
その他のふくらはぎの痩身
ふくらはぎの脂肪が多い場合には、脂肪溶解注射や脂肪吸引が効果的です。特に脂肪吸引は、1回の手術で脂肪をほとんど吸引でき。効果が長く持続します。脂肪溶解注射(アルフォコリン注射)基本的に数回注射がお勧めですが、筋層内の脂肪にも効果を発揮します。
当院で使用するボトックス製剤
アラガン社製 ボトックスビスタ
ボトックスビスタ®は、国内で唯一製造販売承認を取得しているA型ボツリヌス毒素を有効成分とする筋弛緩作用のある注射剤です。神経伝達物質であるアセチルコリンをブロックして過度な筋肉の動きを制限し、シワを作ろうとする筋肉の動きを止めることにより表情ジワを抑制し改善します。
韓国デウン製薬 NABOTA
韓国の医薬品メーカー最大手デウン製薬が製造した最新のボツリヌストキシン製剤です。 「ナボタ(NABOTA)」は、韓国のKFDA(韓国食品医薬品安全庁)での認可とあわせて、世界で最も厳しいともいわれる米国FDAの安全基準・品質基準をもクリアしたボツリヌストキシン製剤です。ボトックス同様の効果と安全性があるうえで、価格がお求めやすいのが特徴です。
韓国メディトックス社 コアトックス
韓国のメディトックス社が開発した、抗体産生リスクの低い高純度のボツリヌストキシンが成分として含まれた韓国製のボトックス注射のことです。KFDAでも認証されています。
アラガン社製ボトックスと違い、ヒトアルブミンや動物性たんぱく質を含まないのがコアトックスの特徴です。動物性タンパク質を含まないコアトックスは、抗体ができる可能性が低く、アレルギーが起こりにくいのが特徴です。効果は、アラガン社のボトックスと同等です。
ボトックスの効果が出るまでの治療回数 持続期間とは
ボトックスは表情しわの原因となる表情筋のみをブロックすることで、気になるしわを解消します。ボトックスの注射部位によっては一回では十分効果が出ず、追加注射が必要にあなる場合があります。 またボトックスの効果は4から6か月のため、ボトックスの効果が切れた場合には追加注射が必要になります。