大阪で子供の二重・逆さまつげ手術の「日帰り全身麻酔」は安全?脳への影響やリスクを元麻酔科医が解説
はじめに:大切なお子様の手術、麻酔が心配な保護者様へ
お子様が手術を受けることになった時、手術そのものと同じくらい、あるいはそれ以上に心配なのが「麻酔」のことではないでしょうか。
「まだ小さい体に全身麻酔をして大丈夫なの?」 「脳の発達に影響はないの?」 「途中で起きたりしない?」
これまで多くの保護者様から、このような切実なご質問をいただいてきました。そのお気持ちは痛いほどよく分かります。
当院では、お子様が恐怖や痛みを感じることなく、安全に手術を受けていただけるよう「日帰り全身麻酔」に対応しています。この記事では、元麻酔科医としての経験を持つ院長が、小児の日帰り全身麻酔の安全性と仕組み、そしてリスクへの備えについて、分かりやすく解説します。
当院では、逆さまつげ修正や二重整形において、お子様の心の負担を減らすために全身麻酔を選択できます。
1. なぜ「全身麻酔」が必要なのですか?
特に目元の手術のように繊細な作業を要する場合、患者様が動いてしまうことは非常に危険です。
大人であれば局所麻酔(部分麻酔)で、意識がある状態でじっとしていることができます。しかし、小学生・中学生のお子様にとって、手術室の独特な雰囲気や器具が見える状況、そして瞼への局所麻酔注射の痛みは、想像以上の恐怖とストレスになります。恐怖で泣き叫んだり、暴れてしまったりすると、安全で正確な手術が行えません。
全身麻酔は、単に「眠らせる」だけではありません。「恐怖心を取り除き、痛みを感じさせず、安全に手術を行うための不可欠な医療処置」なのです。お子様の心身の負担を最小限にするための選択とお考えください。
2. 「日帰り」で全身麻酔ができる理由
「全身麻酔=数日間の入院が必要」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。なぜ当院では日帰りが可能なのでしょうか?
理由①:使用する薬剤の進化
現代の麻酔医療は飛躍的に進歩しています。現在使用されている全身麻酔薬(主に短時間作用型の吸入麻酔薬や静脈麻酔薬)は、体内での分解・排出が非常に速いのが特徴です。麻酔を止めれば速やかに覚醒し、体への負担も少ないため、短時間の手術であれば覚醒後、十分に休息をとっていただいた上で(最短30分〜1時間程度)、当日のご帰宅が可能です。
理由②:高度な生体管理モニター
手術中は、心拍数、血圧、体内の酸素飽和度、呼吸の状態などを、高性能なモニターで常に監視し続けています。体のわずかな変化も見逃さない体制が整っています。
理由③:手術内容が低侵襲であること
当院で行う二重整形などは、本来局所麻酔のみで行える手術であり、お腹や胸を開くような大きな手術と比べて体への侵襲(負担)が少ないため、術後の回復が早く、入院の必要がありません。
理由④:関西一円から「日帰り」で通える好立地 当院は大阪の中心地(心斎橋駅直結)にあり、麻酔後の移動負担を最小限に抑えられます。 実際、兵庫(神戸・西宮)、京都、奈良など、関西近郊から多くの患者様が日帰りで手術を受けられています。
• 神戸・三ノ宮方面から: 約40分
• 京都・奈良方面から: 約50分
入院の必要がないため、手術当日の夜は「ご自宅のいつものお布団」でお子様を休ませてあげることができます。 これはメンタル面の回復にとっても、非常に大きなメリットです。
3. 保護者様が最も気にする「3つの不安」にお答えします
Q1. 成長期の子供の脳に悪影響はありませんか?
A. 短時間の麻酔で、将来の発達に影響が出るという科学的根拠はありません。
これは最も多いご質問です。現在、世界中の学会や研究機関の見解として、一般的な手術に必要な短時間の全身麻酔が、お子様の学習能力や脳の発達に長期的な悪影響を与えるという明確な証拠はないとされています。必要な手術を先延ばしにするデメリットと比較しても、麻酔のリスクは極めて低いと考えられています。
Q2. 麻酔から覚めないことはありませんか?
A. 適切な管理下では、そのようなことはまずありません。
現代の麻酔薬は、投与を止めれば速やかに効果が切れるように設計されています。手術終了に合わせて麻酔薬を減らしていくため、手術後数分~十数分で自然に目を覚まします。
Q3. 術後の副作用(吐き気など)は?
A. 一時的に起こることはありますが、すぐに対処可能です。
麻酔から覚めた後、一時的にぼーっとしたり、吐き気をもよおしたりするお子様もいらっしゃいます(PONV)。これは麻酔薬の影響ですが、現在は副作用の少ない薬剤を使用しており、万が一吐き気が出た場合も、すぐに吐き気止めで対応できる体制を整えています。院内で十分に休んでいただき、医師が安全を確認してから帰宅となります。
4. 「もしも」に備えるリスク管理:体質や既往歴への対応
麻酔は安全な医療行為ですが、患者様の体質やその日の体調によって身体反応が起こることがあります。当院では「もしも」の事態を想定し、以下のようなトラブルや特定の体質リスクに対して万全の対策を行っています。
① 麻酔導入時の「息ごらえ」への対応
麻酔で眠りにつく際、無意識に呼吸を止めてしまったり、喉の筋肉が緊張して空気の通り道が狭くなったりする「息ごらえ(喉頭痙攣など)」が起こることがあります。
当院の対策: 医師が常にモニターと呼吸状態を監視しています。呼吸が止まった場合は直ちに酸素を送り込み、筋肉の緊張を解く処置を行い、安全な呼吸状態を確保します。
② 「気管支喘息」をお持ちのお子様への対応
喘息の既往がある場合、気道が敏感になっており、麻酔の刺激で発作(気管支痙攣)を起こすリスクが通常より高くなります。
保護者様へのお願い: 過去に小児喘息だったが今は治っている場合や、数年発作が出ていない場合でも必ずお伝えください。普段使用している吸入薬がある場合は、手術当日に必ずご持参ください。
③ ご家族に「悪性高熱症」の方がいる場合
悪性高熱症は、特定の麻酔薬を使用した際に高熱が出る稀な遺伝性の体質です。お子様自身が初めての手術でも、血縁者(遠い親戚も含む)に手術中に高熱が出た方がいる場合は注意が必要です。
当院の対策: 悪性高熱症の素因が疑われる場合は、原因となるガス麻酔薬を使用せず、安全性の高い「全静脈麻酔(TIVA)」という点滴麻酔のみを使用する方法に切り替えて手術を行います。
【保存版】安全に麻酔を受けるための「事前チェックリスト」
安全な麻酔は、医師だけでなく、保護者様のご協力があって初めて成り立ちます。「これくらい言わなくても大丈夫かな?」と思わず、以下の項目について事前に確認し、問診時に医師へお伝えください。
□ 1. 気管支喘息(ぜんそく)の経験はありますか?
現在治療中の方はもちろん、「赤ちゃんの頃に少しだけ喘息と言われた」「風邪をひくとヒューヒューしやすい」といった場合も必ずお伝えください。気道の過敏性を把握するために非常に重要です。
□ 2. アレルギー体質ですか?
薬のアレルギーだけでなく、「卵・大豆」のアレルギー(一部の麻酔薬に使用されているため)や、「ラテックス(ゴム)」アレルギー、テープかぶれなども教えてください。
□ 3. グラグラしている歯(乳歯)はありませんか?
麻酔中は気道を確保するための器具をお口に入れます。抜けそうな歯があると、器具に当たって抜けてしまい、誤って飲み込んでしまうリスクがあります。事前に分かっていれば、歯を保護してリスクを回避できます。
□ 4. いびきをかいたり、睡眠時に呼吸が止まることはありませんか?
扁桃腺が大きいお子様などは、麻酔中に気道が狭くなりやすいため、事前の準備が変わってきます。
□ 5. 最近、予防接種を受けましたか?
手術とワクチンの接種時期が近すぎると、万が一発熱した際に、手術の影響か副反応かの判断が難しくなります。直近の接種歴や、今後受ける予定をお知らせください。
□ 6. ご家族・血縁者に「麻酔で高熱が出た人」はいませんか?
前述した「悪性高熱症」のリスク確認です。ご両親だけでなく、祖父母や親戚の方のお話も確認いただけると安心です。
5. 当院の「安全性」へのこだわり|麻酔科医としての経験
全身麻酔は安全な医療行為ですが、それは「専門の知識と技術を持った医師が管理する場合」に限ります。
当院の院長である私は、美容外科医になる前は大学病院の麻酔科に所属し、数多くの困難な手術の麻酔管理を担当してきました。こども病院での勤務経験もあり、幼児や乳児の麻酔も数多く行っています。
先ほど挙げたようなトラブルのリスクを熟知し、「万が一」の事態に即座に対応できる知識と経験があるからこそ、自信を持って日帰り全身麻酔を提供しています。お子様の呼吸状態、循環状態から片時も目を離さず管理することをお約束します。
6. 手術当日の流れ(麻酔に関して)
1. 手術前(絶飲食)
安全のため、手術の数時間前から食事と水分を控えていただきます。
重要:これは胃の中に残った食べ物が麻酔中に逆流し、肺に入ってしまう「誤嚥性肺炎」のリスクを完全に防ぐためのルールです。時間は必ずお守りください。
2. 麻酔の導入(眠りにつく時)
点滴からお薬を入れる方法や、マスクからガスを吸う方法など、お子様の年齢や性格に合わせて、最も恐怖心の少ない方法を選びます。数秒~数十秒でスッと眠りにつきます。
3. 手術中
完全に眠っている状態で、痛みも全く感じません。常にバイタルサインを監視します。
4. 覚醒・リカバリー
手術が終わると麻酔を止めます。自然に目が覚めたら、リカバリールーム(回復室)へ移動します。
5. ご帰宅
意識がはっきりし、水分が摂れること、ふらつきがないことなどを医師が確認し、問題なければ1~2時間後に、ご帰宅いただけます。
7. まだある疑問を解消!小児全身麻酔 Q&A
Q. 手術の直前に風邪をひいてしまいました。鼻水くらいなら大丈夫ですか?
A. 安全のため、延期をおすすめする場合があります。
単なる鼻水でも、気道が炎症を起こして敏感になっているサインかもしれません。その状態で麻酔をかけると、咳き込みや酸素不足のリスクが高まります。「せっかく予約したから」と無理をせず、まずは正直にご相談ください。お子様の安全が最優先です。
Q. 麻酔がかかる瞬間、親がそばにいることはできますか?
A. はい、眠りにつくまで付き添っていただけます。
お子様にとって一番の安心材料は、パパやママの存在です。当院では、お子様が麻酔で眠りにつく直前まで、手術室または処置室で保護者様に手を握っていただいたり、声をかけていただいたりすることが可能です。
Q. 手術後、いつから学校や幼稚園に行けますか?
A. 翌日には麻酔の影響はなくなりますが、3〜4日の休息をおすすめします。
日帰り麻酔の場合、翌日にはお薬は体から抜けていますが、手術部位の腫れや、慣れない環境での疲れもあります。可能であれば3~4日はお家でゆっくり過ごされることをおすすめしています。体育や激しい運動の再開時期については、手術内容によりますので医師の指示に従ってください。
Q. 「絶飲食(食事制限)」を守れるか不安です。もし食べてしまったら?
A. 正直におっしゃってください。手術は延期になりますが、命には代えられません。
小さなお子様の場合、目を離した隙にお菓子を食べてしまうこともあるかと思います。もし食べてしまった場合は、隠さずに必ず申告してください。胃に物が入った状態で麻酔をかけると、嘔吐による窒息や肺炎の危険性が極めて高くなります。決して叱ったりしませんので、ありのままを教えてください。
まとめ
お子様への全身麻酔は、怖いものではなく、「お子様を恐怖と痛みから守るための安全な手段」です。
当院では、麻酔科での豊富な臨床経験を持つ院長が責任を持って管理いたします。「喘息があるけれど大丈夫?」「親戚に麻酔が合わなかった人がいる」など、ご不安な点がございましたら、カウンセリング時にどんな些細なことでもご相談ください。納得いただけるまで丁寧にご説明いたします。

