豊胸していたらマンモグラフィーは危険?「検診を断られた」方へ送る、正しい乳がん検診の選び方
「豊胸しているから検診できない?」乳がん検診を諦めていませんか
「豊胸手術をしているので、うちでは検診できません」
自治体の検診や、会社の健康診断で、このように断られてしまった経験はありませんか?
あるいは、「豊胸がバレるのが怖くて、何年も検診に行っていない」という方もいらっしゃるかもしれません。
乳がんは早期発見が何より大切ですが、豊胸バッグが入っていることで、どうしても検診のハードルが上がってしまいがちです。
今回は、大阪・心斎橋のコムロ美容外科院長が、なぜ豊胸後にマンモグラフィーがNGなのか、そしてバッグを入れたまま安全に受けられる「正しい検診方法」について解説します。
なぜ豊胸手術後はマンモグラフィーがNGなのか?
多くの検診センターや一般病院で豊胸後のマンモグラフィーを断られるのには、医学的に明確な理由があります。意地悪で断っているわけではなく、患者様の安全を守るためなのです。
1. バッグの「破損」リスク
マンモグラフィーは、乳房を板で強く挟んで薄く伸ばし、X線撮影を行う検査です。
この時、乳房には約10kg〜20kgもの強い圧力がかかります。最悪の場合、この圧力によってバッグが破損(破裂)してしまう恐れがあります。
実際に、医学的には以下のような破損トラブルが報告されています。
- 検査中の破裂: 圧迫した瞬間に「パチン」と音がしてバッグが破裂し、中身が漏れ出したケース。
- 「サイレントラプチャー」の悪化: 実は検査前からバッグに小さな亀裂が入っていた(自覚症状なし)が、マンモグラフィーの圧力で中身のジェルが押し出され、検査後に「脇のしこり」や「胸の腫れ」として症状が現れたケース。
たとえその場で割れなくても、バッグの膜に強いダメージを与え、寿命を縮める原因になりかねません。特に10年以上経過したバッグは劣化している可能性が高いため、リスクはさらに高まります。
2. 「診断精度」の問題(死角ができる)
X線はシリコンバッグを透過しにくいため、撮影してもバッグが白く写り込んでしまいます。
その結果、バッグの裏側や周囲にある乳腺組織が隠れてしまい(死角)、小さながんを見落としてしまうリスクが高まります。
「痛い思いをして検査をしたのに、肝心な部分が見えていなかった」ということになりかねないのです。
※脂肪注入豊胸の場合は?
脂肪注入であればマンモグラフィーが可能なケースもありますが、注入した脂肪が石灰化(カルシウムの沈着)している場合、それが「がんによる石灰化」なのか「脂肪壊死による良性の石灰化」なのか、見分けがつきにくいという難点があります。
豊胸バッグが入っていても安全な「超音波(エコー)検査」
では、豊胸をしている方はどうすればよいのでしょうか?
最も推奨されるのが、超音波(エコー)検査です。
当院でも、豊胸術後の患者様にはエコー検診を強くおすすめしています。その理由は大きく3つあります。
メリット1:圧迫しないので「痛くない・割れない」
エコー検査は、ゼリーを塗った肌の上からプローブ(機械)を優しく滑らせるだけです。胸を押しつぶす必要がないため、痛みは全くなく、シリコンバッグが破損する心配もありません。
メリット2:被曝の心配がない
X線を使わないため、放射線被曝がゼロです。妊娠中の方や、頻繁にチェックしたい方でも安心して受けていただけます。
メリット3:「乳がん」と「バッグの状態」を一石二鳥でチェック
これが最大のメリットです。エコー検査なら、乳腺の状態(しこりの有無)を確認すると同時に、シリコンバッグの状態も詳しく診ることができます。
- バッグが破れていないか?(破損)
- 中身が漏れていないか?(液漏れ)
- バッグの周りが硬くなっていないか?(被膜拘縮)
これらを一度の検査で確認できるため、豊胸術を受けた方にとっては非常に効率の良いメンテナンスになります。
実際にエコー検診で見つかった「バッグ破損」と「乳がん」
「痛みがないから大丈夫」「まだ10年経っていないから平気」
そう思っていても、体の中では予期せぬトラブルが起きていることがあります。
大阪のコムロ美容外科には、他院で豊胸手術を受けた多くの患者様が検診にいらっしゃいますが、実際に「自覚症状がないままバッグが破損していた」ケースや、偶然「初期の乳がん」が見つかるケースは、決して珍しくありません。
これらは、マンモグラフィーでは発見が難しかったり、逆に検査によって悪化したりするリスクがあるものです。ここでは、当院の高解像度エコー(GE社製 Versana Balance)だからこそ早期発見・対処ができた、実際の症例をご紹介します。
インプラントの破損
他院にて十数年前に豊胸術をされ、インプラント(豊胸バッグ)の破損が見つかった症例です。
「インプラントの種類、サイズ、乳腺下大胸筋下どちらに入っているかもわからないが、最近小さくなってきた」とのことでしたが、超音波エコーのある当院で検査を受けられました。
結果、左右ともにインプラントが破損しており内容物が外に出ていました。おそらくシリコンジェルバッグと思われます。破損したインプラントの抜去と入れかえを行うことになりました。
▼ 実際の破損エコー画像

乳がん
乳がんは女性が一生のうち、約10%(9人に1人)で発症すると言われています。定期的にマンモグラフィーなどでの検査が推奨されていますが、胸を挟み込んでレントゲン撮影する際にインプラントを損傷する可能性があるため、基本的に行えません。豊胸術を受けられた方の場合、手術を受けたクリニックで検査ができれば、プライバシーを守ることができます。
写真は、10数年前にコヒーシブシリコンバッグを入れられた患者様のエコー画像ですが、「しこりと圧迫時の痛み」を主訴に来院され、超音波エコーを行ったところ乳がんが見つかりました。
▼ 実際の乳がんエコー画像

「会社や友人にバレたくない」という悩みについて
「会社の健康診断でマンモグラフィーを受けると、画像で豊胸がバレてしまう…」
「問診票に『豊胸』と書くのが恥ずかしい…」
このような理由で、検診から足が遠のいている方は非常に多いです。
しかし、放置している間に、乳がんが進行したり、気づかないうちにバッグが破損していたりするのは最も避けたい事態です。
美容外科での「自費検診」ならプライバシーも安心
美容外科クリニックで行うエコー検診は「自由診療(自費)」となりますが、その分、プライバシーは完全に守られます。
会社に診断結果が送られることはありませんし、待合室で知り合いに会う確率も、一般病院に比べて格段に低くなります。
「誰にも知られずに、こっそりチェックしたい」という方は、ぜひ美容外科での検診を活用してください。
大阪・コムロ美容外科のエコー検診(他院修正も歓迎)
当院では、GE Healthcare製の最新超音波機器「Versana Balance」を導入しています。

従来の機器よりも解像度が高く、微細な乳がんの兆候や、バッグのわずかな破損も見逃しません。
他院で手術した方でも遠慮なくご来院ください
「手術したクリニックが遠方にある」「閉院してしまった」という方も、当院で検診を受けていただけます。
「他院で入れたバッグの種類がわからない」という場合でも、エコー画像からある程度推測できることもありますので、まずはお気軽にご相談ください。
また、万が一バッグの破損が見つかった場合は、当院にて抜去や新しいバッグへの入れ替え手術まで一貫して対応可能です。
バストの超音波エコーの検査費用
| 対象 | 費用(税込) |
|---|---|
| 当院でご手術をされた方 | 6,050円 |
| 他院様でご手術をされた方 | 11,000円~22,000円 |
※精密検査が必要な場合には、MMエコー検査を添えて紹介状を作成いたします。
まとめ:自分の身を守るために、適切な検診を選びましょう
豊胸手術を受けたからといって、乳がん検診をあきらめる必要はありません。むしろ、人工物が入っているからこそ、人一倍ご自身の胸に関心を持ち、定期的なケアを行うことが大切です。
「検診を断られて困っている」「10年以上前のバッグが心配」という大阪・関西エリアの方は、ぜひ一度コムロ美容外科へお越しください。痛みのないエコー検査で、安心をお届けします。
▼ 豊胸後の検診について、費用や流れはこちら
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▼ もし破損が見つかったら?修正手術についてはこちら
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