フェイスダイエット注射(エクレア注射)
新世代脂肪溶解注射 エクレア注射
ダイエットをしてもなかなか落ちない、顔や体の部分的な脂肪。そんな悩みを解決する選択肢として注目されているのが脂肪溶解注射です。今回は、数ある脂肪溶解注射の中でも比較的新しく、効果の定評のあるデオキシコール酸がなんと1%も含まれていて、高い効果が期待できると言われる「エクレア注射」について、その特徴やメカニズム、他の脂肪溶解注射との違いを詳しく解説します。

新世代の脂肪溶解注射 エクレア注射とは?
エクレア注射とは、デオキシコール酸を1%含む新世代の脂肪溶解注射です。第4世代脂肪溶解注射と呼ばれる、Fat XCore と同様の組成を持つエクレア注射は、脂肪細胞そのものを破壊・除去する有効成分「デオキシコール酸」を高濃度で配合している点にあります。
1%は他の溶解注射と比べても濃度が高く、従来の脂肪溶解注射よりも高い効果を発揮します。それでいて、Fat X coreと同一成分、同一濃度ながら、お求めやすい価格となっています。

デオキシコール酸が脂肪を溶解するメカニズム:
1.脂肪溶解注射として皮下脂肪に注入されると、その界面活性効果(洗剤のような作用)により、脂肪細胞の細胞膜に作用し、細胞膜を破壊します。
2.細胞膜が壊れることで、脂肪細胞が破壊され、中の脂肪が細胞外へ放出されます。
3.体はこれを異物と認識し、体内の免疫細胞が集まり、放出された脂肪の残骸を処理します。
4.処理された脂肪や老廃物は、リンパや血管を通って肝臓に運ばれ、代謝されて体外へ排出されます。
5.この一連の反応により、注射部位の脂肪細胞の数そのものが減少するため、リバウンドしにくいのが特徴です。
エクレア注射が使用できる部位
- フェイスラインの引き締め
- 二重あごの改善
- ボディの部分痩せ(二の腕、お腹、太ももなど)
エクレア注射 vs アルフォコリン注射 比較表
当院が現在使用している、アルフォコリン注射との比較になります。
| 比較項目 | エクレア注射 | アルフォコリン注射(Alfocholine) |
|---|---|---|
| 主な目的 | 皮下脂肪の溶解・除去(部分痩せ) | 皮下脂肪の溶解・除去(部分痩せ) |
| 主成分 | デオキシコール酸(1%) (+NAIS complex ※抗炎症・抗浮腫) |
グリセロホスホリルコリン(GPC)(大豆由来) |
| 作用機序 | 脂肪細胞膜を直接破壊・溶解する。 デオキシコール酸の作用が強力。 |
脂肪細胞膜を不安定化させ、溶解を促す。 脂肪が減少した後のコラーゲン生成を促し、 引き締め効果も期待できる。 |
| 効果の強さ | 強力。デオキシコール酸が高濃度(1%)のため、脂肪減少効果が高いとされる。 | 比較的マイルド。デオキシコール酸系と比較し、炎症反応が少ない。 |
| 主な副作用(ダウンタイム) | 腫れ・痛み・熱感が比較的強く出やすい。 ピーク:施術後2〜3日・持続:約1〜2週間程度。 |
腫れ・痛みが比較的少ないとされる。 従来の脂肪溶解注射(フォスファチジルコリン等)より炎症が抑えられている。 デオキシコール酸よりマイルドな傾向。 |
| 適応部位 | 顎下、フェイスライン、二の腕、腹部など脂肪が比較的多い部位に適している。 | 顎下、頬下など顔周りや、脂肪組織が比較的少ない(薄い)部位にも使用しやすい。 |
| 施術間隔(目安) | 約4週間に1回 | 約2〜4週間に1回 |
| 効果実感(目安) | 約2週間〜1ヶ月後 | 約2〜3週間後(薬剤によっては早い場合も) |
| その他の特徴 | 脂肪細胞自体を破壊するため、リバウンドしにくい。 | 韓国KFDA認証。 水溶性で組織への浸透性が高く、筋肉内の脂肪にも効果。 |
現在、美容クリニックで使用されている、主な脂肪溶解注射との比較表
| 比較項目 | ① エクレア注射 | ② カイベラ® / ベルカイラ® | ③ カベリン(チンセラプラス) | ④ BNLS ultimate |
|---|---|---|---|---|
| 主成分 | デオキシコール酸(DCA)のみ FatXcoreと同一成分 |
デオキシコール酸(DCA)のみ | デオキシコール酸(DCA)+L-カルニチン+アーティチョークエキス | 植物由来エキス(中心)+デオキシコール酸(DCA)+L-カルニチン |
| DCA濃度 | 【高濃度】1.0% | 【高濃度】1.0% | 【中〜高濃度】0.5〜0.8% | 【低濃度】0.02%程度 |
| 特徴・作用 | DCA濃度が最も高い薬剤の一つ。 脂肪細胞の破壊に特化。 |
米国FDA・日本で承認された薬剤。 下顎部の改善に特化。 DCA単剤治療が特徴。 |
DCAと代謝促進成分のバランス型。 エクレアやカイベラよりDCA濃度が低く、腫れを軽減。 |
DCA濃度は非常に低い。 ダウンタイム最小化を最優先。 リンパ循環・脂肪燃焼・引き締めなど。 |
| ダウンタイム(腫れ・痛み) | 【強い】数日〜1週間程度の腫れ・痛み・熱感。 | 【強い】FatX coreと同様に、強いダウンタイムが出る。 | 【中程度】FatX coreより軽度だが、数日間の腫れ・むくみが出る。 | 【非常に少ない】腫れ・痛みは軽度で、施術後から通常の生活が可能。 |
| 推奨部位 | 顎下、フェイスライン、ボディ(二の腕、腹部など) | 顎下(承認部位) | 顔(頬・顎下)、ボディ | 顔の細かい部分(頬、鼻)、顎下 |
| 施術間隔目安 | 1ヶ月に1回 | 1ヶ月以上に1回 | 1〜2週間に1回 | 1〜2週間に1回 |
エクレア注射
効果をできるだけ出したい場合に適しています。その分、デオキシコール酸の作用により、施術後の腫れや痛みなどのダウンタイムはやや長くなります。
アルフォコリン注射
ダウンタイムを軽くしたい場合や、肌の引き締め効果も期待したい場合、または顔周りなどのデリケートな部位への注入に適しています。効果はデオキシコール酸の脂肪溶解注射と比較すると、ややマイルドな印象があります。
フェイスダイエット注射(エクレア注射)の施術費用
【顔】部位別使用量と施術費用(目安)
| 部位 | 使用量の目安(片側または合計) | 施術費用(1cc=4,400円) |
|---|---|---|
| 顎下(二重あご) | 3cc ~ 10cc | 13,200円 ~ 44,000円 |
| フェイスライン | 3cc ~ 10cc | 13,200円 ~ 44,000円 |
| 頬(ほうれい線周囲) | 2cc ~ 5cc | 8,800円 ~ 22,000円 |
| 頬(外側・メーラー) | 3cc ~ 5cc | 13,200円 ~ 22,000円 |
| 口横(ジョール) | 2cc ~ 3cc | 8,800円 ~ 13,200円 |
| 顔全体(組み合わせ) | 5cc ~ 10cc | 22,000円 ~ 44,000円 |
【ボディ】部位別使用量と施術費用(目安)
| 部位 | 使用量の目安(片側または合計) | 施術費用(1cc=4,400円) |
|---|---|---|
| 二の腕 | 10cc ~ 20cc (片側) | 44,000円 ~ 88,000円(片側) |
| 脇(脇と胸の間など) | 5cc ~ 10cc (片側) | 22,000円 ~ 44,000円(片側) |
| 上腹部 | 10cc ~ 30cc | 44,000円 ~ 132,000円 |
| 下腹部 | 10cc ~ 30cc | 44,000円 ~ 132,000円 |
| 側腹部(ウエスト) | 20cc ~ 30cc | 88,000円 ~ 132,000円 |
| 背中(上部・下部) | 10cc ~ 20cc | 44,000円 ~ 88,000円 |
| 臀部(おしり) | 10cc ~ 30cc | 44,000円 ~ 132,000円 |
| 太もも(内側・外側) | 10cc ~ 20cc (片側) | 44,000円 ~ 88,000円(片側) |
| 膝上 | 5cc ~ 10cc (片側) | 22,000円 ~ 44,000円(片側) |
施術の流れ
- 1. カウンセリング
- 医師が脂肪のつき方を確認し、最適な注入量や回数を提案します。
- 2. デザイン
- 注射する部位をマーキングします。
- 3. 冷却・麻酔
- 痛みを和らげるために、注入部位を冷却したり、麻酔クリームを使用したりします。当院では、痛みをなくすためにエクレア注射に局所麻酔薬を混ぜて注射を行います。
- 4. 注入
- 極細の針で薬剤を注入します。施術時間は5〜10分程度です。
- 5. アフターケア
- 施術後はそのまま帰宅できます。
ダウンタイムと副作用
ダウンタイム
腫れ・痛み: ピークは施術後2〜3日で、1週間程度で徐々に落ち着きます。
内出血: 出た場合、1〜2週間程度で黄色っぽくなり消えていきます。
施術当日は、飲酒や運動、長時間の入浴は避けるようにしましょう。また、施術後数日間は注入部位をマッサージすることで、薬剤が均一に広がり効果が高まると言われています。
エクレア注射の主な副作用
エクレア注射は、主成分である「デオキシコール酸」が脂肪細胞を破壊する際に、炎症反応を起こします。そのため、以下の症状が現れることが一般的です。
腫れ・むくみ: 薬剤の反応により、注射した部位とその周辺が腫れ、むくんだようになります。腫れは施術後2〜3日目がピークで、1週間ほどで徐々に引いていきます。
痛み・軽度の熱感: 脂肪細胞が破壊される過程で、筋肉痛に似たジンジンとした痛みや、触れると痛い「圧痛」が1週間程度続く場合があります。
内出血: 注射針が毛細血管にあたることで起こります。赤色のあざが出ることがあり、1〜2週間かけて徐々に黄色っぽくなり消えていきます。
しこり・硬結(こうけつ): 施術後1〜2週間経った頃から、注射した部分が硬くなったり、しこりのように感じられたりすることがあります。これは破壊された脂肪組織が体外へ排出される過程で起こる正常な反応です。通常は1ヶ月程度で自然に柔らかくなじんでいきます。
まれに起こる可能性のある副作用
頻度は低いですが、以下のようなリスクも考えられます。
- アレルギー反応: 薬剤の成分に対してアレルギー反応(かゆみ、発疹など)が起こる可能性があります。
- 色素沈着: 内出血や炎症が治った後に、茶色っぽいシミのような跡が残ることがまれにあります。
まとめ
1%のデオキシコール酸を主成分とするエクレア注射は、脂肪細胞そのものを減らすことで、高い痩身効果とリバウンドのしにくさを実現する新しい脂肪溶解注射です。ダウンタイムがBNLSなどよりは長い傾向にありますが、その分、少ない回数で満足のいく結果を得やすいと言えるでしょう
エクレア注射の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主成分 | デオキシコール酸(1%)、NAIS complex(抗炎症・抗浮腫成分) |
| 適応部位 | 皮下脂肪がある部位(顎下、フェイスライン、頬、二の腕、腹部、太もも 等) ※目元、鼻、唇、胸には使用不可 |
| 施術時間 | 約10分~30分(注入範囲・量・冷却時間による) |
| 注入後の痛み | 薬剤反応によるジンジンとした痛み・熱感(数時間~数日) |
| おすすめ施術回数(目安) |
顔:2~3回 ボディ:3~6回 |
| 施術間隔 | 約1ヶ月に1回 |
| ダウンタイム・腫れ・むくみ | 施術後2~3日目がピークで、約1~2週間かけて徐々に軽快。 ・痛み・圧痛:数日~1週間程度 ・熱感・赤み:数日程度 ・硬結(しこり):施術後1~2週で生じることがあるが、約1ヶ月で消失 |
| 施術後のケア・当日 | 激しい運動、飲酒、長時間入浴、サウナは控える。 ・冷却:施術後2~3日は腫れや熱感を抑えるため冷却を行う。 ・マッサージ:腫れが引いた頃から軽いマッサージで薬剤を均一化、脂肪排出を促進。 効果実感:脂肪減少は約2週間~1ヶ月で実感可能 |
| 禁忌事項 | 妊娠中・授乳中、18歳未満、自己免疫疾患、甲状腺疾患、血液疾患、大豆アレルギーなど。 禁止部位:眼の周囲、口唇、鼻、バスト |
エクレア注射のよくある質問
Q. 痛みはありますか?
A. 針を刺すチクッとした痛みと、薬剤が注入される際の痛みを感じることがあります。また、施術後数時間〜数日間は、ジンジンとした痛みや圧痛(押したときの痛み)が出ることが多いです。痛みが心配な場合は麻酔クリームをお勧めします。
Q. ダウンタイムはどのくらいですか?
A. エクレア注射は FatX Coreと同じくデオキシコール酸の濃度が1%と高いため、他の脂肪溶解注射と比較してダウンタイム(腫れ・痛みなど)が出やすいとされています。
- 腫れ・赤み・熱感:施術直後から現れ、施術後2〜3日がピークとなることが多いです。通常、数日〜1週間程度で徐々に落ち着きます。
- 痛み(圧痛):腫れと同様に数日〜1週間程度続くことがあります。
- 内出血:注射部位に赤あざが出ることがあり、消えるまでに1〜2週間程度かかることがあります(メイクでカバー可能)。
- 硬結(しこり):施術後1〜2週間頃から注射部位が少し硬く感じることがあります。
Q. 効果はいつから実感できますか?
A. 個人差がありますが、ダウンタイムの腫れが引いた後、およそ2週間〜1ヶ月後くらいから徐々に効果を実感し始めるとされています。
Q. 何回の施術が必要ですか?
A. 1回の施術でも効果を実感できる場合もありますが、希望する仕上がりや脂肪の量に応じて複数回の施術が推奨されることが一般的です。多くの場合、1ヶ月程度の間隔をあけて3〜5回の施術をお勧めします。
Q. 施術後の効果は持続しますか?リバウンドはしませんか?
A. 高濃度のデオキシコール酸を主成分とするエクレア注射は、脂肪細胞の数自体を減らす治療のため、一度破壊された脂肪細胞が再生することはありません。そのためリバウンドしにくいとされています。ただし、残った脂肪細胞が過度な体重増加によって大きくなることはあるため、効果を維持するためにはバランスの取れた食生活や適度な運動を心がけることが重要です。
未承認薬に関するご案内
当院で使用する未承認医薬品・機械についてはこちらのページをご覧ください。
監修医情報
- 医師
- 医療法人秀晄会コムロ美容外科(大阪・心斎橋)
院長 池内 秀行(いけうち ひでゆき) - 経歴
-
- 1996年(平成8年) 神戸大学医学部卒業
- 1996年~ 神戸大学医学部付属病院麻酔科入局
- 1997年~ 兵庫県立こども病院麻酔科入局
- 2001年~ コムロ美容外科入職
- 2006年4月~ 心斎橋コムロ美容外科クリニック 院長就任
- 2020年3月~ 医療法人秀晄会 コムロ美容外科へ医療法人化
- 資格
-
- 日本麻酔科学会会員
- 麻酔科標榜医
- 日本美容外科学会(JSAS)会員
- 美容外科(JSAS)専門医
- アラガンボトックスビスタ認定医
- アラガンジュビダーム認定医




