いぼ・ほくろ除去
いぼとほくろは、どちらも皮膚にできる良性の隆起や色素斑で、一見似ていますが、その原因や性質は異なります。いぼ(尋常性疣贅など)は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって生じる皮膚の良性腫瘍です。手足、顔、首、体幹など様々な部位に現れ、表面がザラザラしていたり、盛り上がっていたりします。ウイルス性のため、他人にうつる可能性があります。

一方、ほくろ(色素性母斑)は、皮膚のメラニン色素を作る細胞(メラノサイト)が集まってできたものです。生まれつきあるものもあれば、紫外線やホルモンの影響で後天的にできることもあります。多くは黒や茶色で、平らなものから盛り上がったものまで様々です。
いずれも加齢とともに増える傾向にあり、顔や首など目立つ場所にできると、お化粧で隠しにくく、老けて見える」「疲れているように見える」といった見た目の印象に影響を与えることがあります。
「もしかして、ほくろが大きくなっている?」「いぼが増えてきたかも…」と気になる場合は、お一人で悩まず、どうぞお気軽に当院にご相談ください。短時間で簡単に治療でき、見た目のコンプレックスを解消することで、明るい毎日を送るお手伝いをいたします。
こんな方に、いぼ・ほくろ除去をおすすめします
- 年齢とともに、ほくろやいぼが増えてきたと感じる方
- ほくろが少しずつ大きくなっている、形が変わってきた気がする方
- できるだけダウンタイムの短い治療で、いぼやほくろをきれいに治したい方
いぼ、ほくろの治療方法
電気メスを使った電気分解法とは?
電気メス(高周波電気凝固装置)を使い、熱エネルギーで皮膚組織を焼灼(しょうしゃく)・蒸散させる治療法です。局所麻酔注射を併せておこなうため、治療中の痛みはありません。
いぼに潜むウイルスも高熱で殺菌しますので、他の部位に感染感染するリスクを減らすメリットがあります。仕上がりについても、CO2レーザー治療とほとんど違いはありません。

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STEP1
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STEP2
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STEP3
電気分解法で治療できる、他の色素性疾患
脂漏性角化症
脂漏性角化症(しろうせいかっかしょう)加齢や紫外線 exposure によって生じる、盛り上がったシミのようなものです。紫外線を浴びやすい顔を中心に数ミリ程度の色素斑が複数でき、濃い色と隆起のため、お化粧で隠すのが難しいのが特徴です。ほくろと同様に、色は濃くても根が浅いため、電気分解法で比較的簡単に除去できます。

スキンタグ(Skin Tag)/ アクロコルドン(Acrochordon)/ 軟性線維腫
皮膚の柔らかい部分にできる小さな良性の突起で、40代以降に首、わきの下、股、まぶた、胸の下など、皮膚が擦れやすい部位にできやすい傾向があります。遺伝やホルモンバランスも関係すると言われています。電気分解法で根元から蒸散させることで、安全かつきれいに除去できます。

いぼ・ほくろができる原因と、治療を推奨する理由
いぼは、皮膚にできる良性の腫瘍で、そのほとんどがヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって引き起こされます。ウイルスが皮膚の小さな傷口などから侵入すると、表皮の細胞が異常に増殖し、いぼとして現れます。
「いぼを引っ掻いてしまったら、他の場所に増えてしまった…」という経験はありませんか? これは、いぼに潜むウイルスが爪先などにつき、他の部位を触った際に皮膚に傷があると、そこからウイルスが侵入して新たな「いぼ」ができてしまうためです。
ほくろと違い黒くはありませんが、隆起しているためお化粧では隠しにくく、放置すると感染が広がり、数が増える可能性があります。そのため、早期の治療をお勧めしています。

ほくろができる原因と治療を推奨する理由
ほくろ(医学的には色素性母斑)は、皮膚の真皮や表皮の中にあるメラニン色素を作る細胞(メラノサイト)が集まってできたものです。生まれつき存在するほくろもありますが、多くは後天的に現れます。
後天的にほくろができる主な原因は紫外線です。紫外線はメラノサイトを刺激し、メラニン色素の産生を活発にさせます。これが繰り返されることで色素細胞が集まり、ほくろとして現れることがあります。また、ほくろの出来やすさは遺伝的な要因や、ホルモンバランスの変化、加齢なども関与するとされています。
とんどのほくろは良性であり、健康に問題がない場合が多いですが、中には急激に大きくなったり、形や色が不規則に変化するものには注意が必要です。これらは悪性腫瘍である「メラノーマ(悪性黒色腫)」の可能性も考えられるため、自己判断はせず、医師による正確な診断が非常に重要です。
また、美容的な観点からも、顔や首など目立つ場所にあるほくろは、見た目の印象に大きく影響します。気になるほくろがある場合は、まずは当院までご相談ください。適切な診断と、ご希望に応じた治療法をご提案いたします。
ほくろ除去の他の施術とは?
ほくろは、直径が大きいほど根が深い傾向があります。直径5mmを超えるほくろや、毛が生えているほくろの場合、電気分解法だけでは完全に除去することが難しい場合や、再発のリスクが高まることがあります。
完全に除去したい場合や、稀に皮膚がん(悪性腫瘍)が疑われるケースには、切除縫合法をお勧めすることもあります。この方法は、ほくろの周囲の皮膚を含めて切除し、丁寧に縫い合わせることで、再発を抑え、より確実に除去します。
一方、いぼや、スキンタグなどは、電気分解法で十分な効果が得られることがほとんどです。患者様お一人おひとりの症状やご希望に合わせて、最適な治療法をご提案いたしますのでご安心ください。
ほくろ切除:気になるほくろをメスで丁寧に除去
電気メスで切除することの多いほくろですが、サイズが大きい場合、取り切れなかったり、再発のリスクが高くなります。ほくろ切除は、比較的大きく、深さのあるほくろや、再発をできるだけ抑えたい場合に有効な治療法です。
ほくろ切除とは?
ほくろ切除は、メスを使ってほくろの組織を外科的に取り除く治療です。ほくろの大きさや深さ、位置に合わせて適切な方法を選択します。
こんなほくろにおすすめです
- 比較的大きいほくろ(一般的に直径5mm以上)
- 盛り上がりのあるほくろ
- 再発をできるだけ避けたいほくろ
ほくろの組織を直接取り除くため、治療後の再発のリスクを低く抑えられるのが特長です。
ほくろ切除の施術方法
ほくろの大きさや深さ、形によって、主に以下の2つの方法があります。
紡錘形(ぼうすいけい)切除
ほくろの周囲の皮膚を、ラグビーボールのような形(紡錘形)に切除し、その後、丁寧に縫合します。
特長: ほくろ全体を確実に除去でき、再発のリスクが低いのが最大のメリットです。
傷跡: 最終的には、ほくろがあった部分に一本の線状の傷跡が残ります。当院では、できる限り目立たないよう、皮膚のしわの方向に合わせて切開し、吸収糸を使って中縫いを行い、細い糸で丁寧な皮膚縫合を行います。
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STEP1
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STEP2
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STEP3
ジグザグ切除(Z縫合)
Z縫合は、以下のような場合に最適です。
関節部分など、動きが多い箇所のほくろ: 肘や膝、指の関節など、皮膚が常に伸縮する場所では、通常の直線縫合だと傷跡が引きつれて硬くなりやすく、動きを妨げたり、見た目が目立ったりすることがあります。Z縫合を用いることで、皮膚の動きに沿った自然な傷跡になりやすく、引きつれを軽減できます。
大きなほくろの切除後: 広範囲の皮膚を切除した場合、直線縫合では縫合部に大きな張力がかかり、傷跡が広がりやすくなることがあります。Z縫合は、この張力を分散させ、傷跡の幅が広がるのを抑える効果があります。
皮膚の動きに沿わせるなど、より自然な見た目を追求できます。
ダウンタイムと注意点
痛み | 麻酔が切れると多少の痛みを感じることがありますが、ほとんどの場合は市販の鎮痛剤でコントロールできます。 |
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腫れ・内出血 | 術後数日間、切除部位周辺に腫れや内出血が出ることがありますが、徐々に引いていきます。 |
抜糸(紡錘形切除の場合) | 術後5日~1週間程度で抜糸を行います。抜糸までは、患部を濡らさないよう注意が必要です。 |
入浴・洗顔 | 施術当日はシャワー浴を控えるなど、医師の指示に従ってください。 |
メイク | 抜糸後、または傷口が完全に塞がってから可能です。 |
傷跡 | 切除した部位には必ず傷跡が残ります。最初は赤みが目立つことがありますが、通常は数ヶ月~1年程度かけて徐々に薄くなり、目立ちにくくなります。 |
いぼ、ほくろ除去の流れ
- 1. 診察・カウンセリンググ
- まずは医師が、ほくろやいぼの大きさ・形状・色調などを詳しく診察し、良性か悪性かの見極めを行います。そのうえで、切除の適応があるかどうかを判断し、最適な治療法(電気メスによる除去や紡錘形切除など)をご提案します。
また、術後の傷跡の残り方やダウンタイム、術後の注意点についても丁寧にご説明いたします。 - 2.局所麻酔
- 治療中の痛みを軽減するため、患部に局所麻酔を行います。注射の際には軽いチクッとした痛みがありますが、当院では極細の針を使用しており、痛みは最小限に抑えられます。麻酔が効いた後は、施術中に痛みを感じることはほとんどありません。
- 3.除去・施術
- 麻酔がしっかり効いていることを確認したうえで、選択された治療法に応じて処置を行います。
- 電気メスによる除去の場合は、患部のいぼやほくろを慎重に焼灼・除去していきます。処置時間は、除去する個数や大きさによって異なりますが、通常5〜10分程度で完了します。
- メスを使った紡錘形切除では、あらかじめデザインしたラインに沿って組織を丁寧に切除します。
- 円形くり抜きの場合は、専用の器具でくり抜いた後、軟膏を塗布して終了となります。 - 4.止血・縫合(必要時)
- 出血が見られる場合は、電気メスなどを用いて止血します。紡錘形切除では、その後皮膚を丁寧に縫合し、できるだけ目立たない傷跡になるよう配慮します。
- 5.施術後のケア
- 処置後は、患部に軟膏を塗布し、肌色の保護テープやガーゼでしっかりと保護します。保護テープの上からであれば、当日から洗顔やメイクも可能です。 術後の色素沈着や赤みを防ぐため、患部の紫外線対策(日焼け止めなど)はしっかりと行ってください。
いぼ、ほくろ除去の施術概要・リスク
所要時間 | 10〜30分程度(個数や大きさによる) |
麻酔 | 局所麻酔で行います。 |
術後経過 | 治療箇所に保護テープを約1週間貼付していただきます。テープの上からはメイクが可能です。 |
痛み | 局所麻酔下で行いますので、痛みはありません。術後は鎮痛剤を内服していただきます。 |
洗顔、メイク | 当日から可能です。テープがはがれた場合は張り直しお願いします。 |
それ以外の注意点 | 治療後の色素沈着や日焼けによるシミを防ぐため、紫外線対策(日焼け止め、帽子など)を徹底してください。 |
いぼ・ほくろ除去の施術費用
項目 | 費用(税込み) |
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電気分解法 | ・3ミリ以下:11,000円 ・3ミリ以上:1ミリにつき11,000円 (例:5mmのほくろの場合、 3mm分の11,000円 2mm分の22,000円 = 合計33,000円) |
切除縫合法 | ・電気分解法の2倍の料金 (例:3mm以下のほくろ切除縫合法の場合、22,000円(税込)) |
※再発や首より下は半額となります |
いぼ・ほくろ除去のよくある質問
Q.いぼ、ほくろ除去の際、痛みはありますか?
A.局所麻酔を使用しますので注射の際、チックっとしますが治療中は痛みはありません。
Q.いぼ、ほくろを取った後、お化粧はいつくらいからできますか?
A.いぼ、ほくろ除去後は、傷の保護のためにテープを張りますが、その上からであれば、当日からメーク可能です。 1週間はテープを続けてください。
Q.電気分解法と、切除はどちらが良いのでしょうか?
A.ほくろの場合、直径が6㎜を超えると根っこが真皮深層にまで届いている可能性が高く、その場合、取り切れない可能性が高くなります。ダウンタイムを短くしたい、メスを入れたくない場合には、電気分解法で、 完全に取り除きたい場合には、切除をお勧めします。