皆さん、こんにちは。
最近、「注射をするだけで鼻が細くなります♪」というキャッチフレーズで、脂肪溶解注射、BNLSや小顔輪郭注射(以降フェイスダイエット注射)を勧めるクリニックさんが増えています。
旧世代の脂肪溶解剤であるメソセラピーと違い、フェイスダイエット注射は腫れや痛みが少なく、早く効果を実感しやすいこともあって、リピートされる方が圧倒的に多い施術です。治療部位としてお顔のフェイスラインなどは、満足度が高い部位です。
しかしながら、鼻にフェイスダイエット注射をして効果が出るかという点には、鼻の手術を数多く行っている自分としては、疑問を持っています。
外観上からもわかるとおり、頬やフェイスラインと違い鼻の皮膚は厚く、皮下組織が薄いのが分かります。
今回は、先日行った鼻尖縮小(PDSプレート使用)の術中写真を使って説明します。
※鼻のビフォーアフター写真は本人の希望により掲載できませんが、抜糸の時点でもあまり腫れておらず、ナチュラルな仕上がりでした。
この症例の患者さんは、
過去に数回フェイスダイエット注射や、
クイックノーズ手術を
他院にて行ってこられましたが、
ほとんど変化がなく当院でのカウンセリングの結果、鼻尖縮小手術を行うことになりました。
写真は、手術の際、左右の鼻翼軟骨の間から切除した軟部組織です。
脂肪組織がほとんどなく、繊維組織が大部分を占めていました。
(脂肪組織が含まれる場合、オレンジ色に見えます。)
自分が今までに行ってきた鼻尖縮小術の際も、切除できた軟部組織は似たり寄ったりで、脂肪の量は少ないです。
もう一つの効果が出にくい理由は、鼻尖での軟部組織が存在する場所です。
だんご鼻の解剖学的特徴は、左右の鼻翼軟骨の先端が通常よりも大きく開き、その中央に軟部組織が存在します。
左右の鼻翼軟骨と皮膚との間には、軟部組織はほとんど存在しません。
そのため、鼻尖側面の皮下にフェイスダイエット注射をしても脂肪がほとんどないため効果は期待できず、かといって軟部組織が比較的存在する鼻尖の中央部に注射すると、鼻先が低くなる可能性があります。
では、鼻にダイエット注射した際の効果は全く期待できないのでしょうか?
実は、鼻翼軟骨よりも頭側に菱形の、上外側鼻軟骨があり、その部位には皮膚と軟骨の間にやや厚めの軟部組織が存在します。
個人差はありますが、この部位は脂肪組織が比較的豊富なため、フェイスダイエット注射の効果を多少は実感できると思います。ただし鼻尖がそのままで鼻筋だけが細くなると、バランスがおかしくなるかもしれません。
ちなみに鼻筋を細くするだけでしたら、レディエッセやクレヴィェール(鼻プチ用ヒアルロン酸)の使用を、お勧めします。簡単、確実に変化を実感できますよ。
確かに手術となるとダウンタイムが問題になることがあり、患者様にしてみれば腫れが少なく、比較的安い施術があるとすれば、飛びついてしまうのも仕方がないことかもしれません。
ちなみに、過去にフェイスダイエット注射を鼻にしていても、鼻尖縮小術や隆鼻術などは問題なくできますので、一度くらいなら試してもいいかもしれませんね。
心斎橋コムロ美容外科クリニックまで