みなさん、こんにちは
又、少し暑くなってきましたね
当院では他の美容外科が
あまりやりたがらない、断ってしまうような
他院修正を積極的に行っていますが、
今回は、感染した人工乳腺を
抜去した後に陥凹を生じた、
バストの再建手術を取り上げます
この患者さんは、他のクリニックにて、
大胸筋下人工乳腺豊胸術を受け、
数年後、感染を生じたため、
左のみ抜去し数年経過しています。
バッグが入ったままの右と比べての大きさ、
アンダーバストラインの差と、
左アンダー内側が、
人工乳腺の露出部が、
皮膚と筋層の間で強い癒着を生じ、
引き込みを生じています。
当院では、このような症例に対して、
脂肪移植+
脂肪注入
+
人工乳腺再挿入
(人工乳腺再挿入は場合によっては行いません)
で再建を行っています。
この患者様の治療は、
2
回もしくは、
3
回に分けて行い、
1
回目に人工乳腺再挿入、
2
回目に脂肪移植、
3
回目もしくは
2
回目と同時に
脂肪注入を行う予定です。
一般的に人工乳腺(シリコンバッグ)が
露出した傷の部分は、
瘢痕組織ができ、傷はふさがりますが、
もともとあった皮下脂肪、
乳腺組織はすべて吸収され、
皮膚と筋層との間に、
強く癒着がおこります。
引き込みは非常に強く、
指でつまんで持ち上げようとしても
持ち上がりません。
そのため、人工乳腺抜去後は、
傷を中心に引き込みと陥凹が残ります。
治療のためには、
癒着した部分を広範囲に剥離した後に、
再癒着、陥凹を防止、改善のために、
ボリュームを充填してあげる必要があります。
当院では、使う材料として
自分の脂肪組織を使います。
脂肪組織は再癒着防止の効果が高く、
生着率もよく、周囲になじみやすいので、
凹凸の原因になることもありません。
しかしながら、
あまり大きな脂肪塊を採取するのは難しいので、
強い癒着部分に脂肪移植を行い、
周囲は、脂肪注入で形を整えます。
今回のモニター患者さんは、
第一段階として、
右胸と近い大きさにするために、
コヒーシブシリコンバッグの
アナトミカルタイプ240cc
を使いました。
アンダー切開にて乳腺下を剥離し、
スペースを作成しました。
剥離したスペースから
陥凹部を裏側から触れてみて、
組織の厚みを調べましたが、
非常に薄く、脂肪移植を同時に行うのは
リスクがあると判断し、
バッグ周囲にカプセルができる、
最低1
ヶ月くらい待って行うことにしました。
手術終了時には、
胸のボリュームの左右差も改善し、
陥凹部も術前に比べれば改善しています。
しかし陥凹部は修正を行っていないため、
右と比べるとバスト下部の
ボリュームが不足しています。
2回目の修正は、術後一か月以降、
癒着部剥離と脂肪移植を予定していますが、
今後も経過を報告していく予定です。
患者様も、長年の悩みが1日にして
解消されたと表情を明るくして頂き、
オペ後にお休みになられ、
目を覚まされた際は、
『嬉しくて安心して、10年ぶりくらいに
ぐっすり眠れた』とおっしゃって
頂きました
2回めのご手術も
楽しみにしていてくださいね