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スタッフブログ

ケナコルト注射のメリット デメリットは?

 
 
皆さん、こんにちは。

 

メスを入れる手術の術後経過で問題になるのは、
やはり傷跡ですよね。手

術が成功しても、
肥厚性瘢痕やケロイドになってしまう
ケースを見かけます。

普通の医師であれば、
体質の問題だからしかたないと
いわれることが多いのですが、
当院では、積極的にケナコルト注射を
使い症状を改善させています。

ケナコルトは中力価の
ステロイドの注射薬で、
局所の炎症を抑えたり
細胞を委縮させることで組織の
ボリュームを減らす効果があります。

ケナコルトの特徴は、
そのDDS(ドラッグデリバリーシステム)にあります。
注射された局所に固形成分として2~3週間とどまり、
徐々に溶け出しながら吸収されていく仕組みです。

つまりケナコルトは、
局所にステロイドを24時間、
数日間にわたって持続注入するのと
同じ効果が出るのです。

ケナコルト

薬瓶のそこに沈んでいるのがケナコルトの粒子。
水に溶けず放置すると沈殿する

ケナコルト注射は、
ほかのステロイドではまねのできない
高い効果を発揮する一方で、
他の注意すべき副作用もいくつかあります。

皮膚の被薄化
特にケナコルトは細胞を委縮させ、
ボリュームを減らす効果があります。

肥厚性瘢痕などの皮膚病変の場合には
皮内に注入しますが、
周囲の正常な皮膚まで流れると皮膚の
陥没が起こることがあります。
必要最小限の注入量にとどめ、
注入部位のマッサージはやめてもらっています。

視力障害 失明
眉間や鼻根部に注射後に失明したという
ケースが過去にあったそうです。
他のステロイドと違い微細なステロイド粒子が
浮かんだ薬液を注入するため、
動脈内に誤注入した場合血管が
閉塞する場合があります。

ただしリスクが高いのは、
眼動脈の分岐部に近い眉間のあたりですが、
ケナコルトの場合、
同部位に注射することはほとんどなく
失明の可能性はまずないでしょう。

感染症
抜糸時もまだまだ腫れが残る時期で、
患者様からも早く腫れを引かせる方法がないか
聞かれることが多いのですが、
ステロイドには免疫力を低下させる副作用があるため、
抜糸間もない創部近くへの注射は行わないほうがいいでしょう。

炎症がほぼ落ち着く、
術後1か月くらい経過していれば大丈夫です。

まとめ
ケナコルトは他のステロイドと違い、
注射した患部のみに作用し
2週間程度にわたって持続的に効果を発揮します。

リスクはありますが、
一回当たりの注入をできるだけ少なくし、
マッサージをしないなどの注意を守れば、
手術後のダウンタイムを大幅に短くするなど
高い効果が期待できます。

当院では、希望者のみに使っていますので
ご安心くださいね。










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