傷跡・ケロイド・瘢痕の修正とは
傷跡の治療にはケロイド・肥厚性瘢痕・肉芽腫・瘢痕拘縮などといった種類があり、治療法も異なります。多くはケロイドは体質によるもので、遺伝要素も考えられます。
ケロイドが高い確率で発症する箇所は、胸や肩、腹部、耳などであり、元の傷の大きさよりも大きくなるという特徴があります。
一般にケロイドと言われるものには肥厚性瘢痕が多く、ケロイドととても似ていますが、元の傷よりも大きくならないという点がケロイドとは異なります。肉芽種は異物(例えばピアッシング等は近年とても症例が多いです。)や、感染、腫瘍などによって組織が増殖してしまったものを言います。瘢痕拘縮は傷跡によってひきつれ、運動制限が出てしまうものを言います。顔、関節、手足などの瘢痕に多く見られます。
ケロイド体質の方は皮膚に傷が出来ると、その傷以上に固く赤い膨らんだ状態のケロイドになってしまいます。
修正手術して傷を切除しても、結局は再度同じ状態になったり、更に悪化する場合があります。
この場合、傷痕の盛り上がり部分にステロイド注射を行い、盛り上がりを凹ませる治療を行います。
一度の治療で効果が出る場合もありますが、基本的には数回の治療が必要となります。
盛り上がりがさほどない傷痕に対して注射をすると、かえって陥没してしまう事があるため慎重な判断が必要となります。
【治療法】
ステロイド(ケナコルト®)を傷跡に直接、注射します。赤みや盛り上がりは著明に減少しますが、効果が強すぎるとかえって凹んだ瘢痕になることがあります。
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ケナコルト注射初回
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ケナコルト注射2回目
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ケナコルト注射3回目
副作用・ダウンタイム
- 麻酔
- 塗布型麻酔剤(クリームもしくはテープ)
- 手術の所要時間
- 5~10分程度
- 日常生活
- 入浴やシャワーは当日から可能ですが、強くこするなどの刺激は控えてください。
飲酒は24時間お控えください。
1週間程度、注入部位への圧迫は避けてください。 - 副作用・ダウンタイム
- むくんだ様な感じで腫れることがありますが、数日くらいで徐々に落ち着いていきます。
内出血が出た場合、1~2週間程度で落ち着いてくるので、その間はメイクでカバーして下さい。
2~3日間程度、注入部位に鈍痛や赤みが生じることがあります。
副作用として、注射部位の皮膚の血管が浮き出て見えることがあります。
総称名 | ケナコルト−A |
一般名 | トリアムシノロンアセトニド |
欧文一般名 | Triamcinolone Acetonide |
製剤名 | トリアムシノロンアセトニド水性懸濁注射液 |
製造会社 | ブリストル・マイヤーズスクイブ |
薬効分類名 | 合成副腎皮質ホルモン剤 |
承認医薬品 | 承認医薬品であるが、保険診療外の美容外科において適応外使用の為、適応外使用である。 |
【料 金】ケナコルト原液0.1ccあたり ¥5,500~¥11,000(税込)