二重整形における全切開と埋没の基本知識

理想の二重まぶたを手に入れるための美容整形。その代表的な施術が「全切開法」と「埋没法」です。それぞれに全く異なる特徴があり、自分に合った方法を選ぶためには、まず基本的な知識を理解することが不可欠です。
二重全切開とは?基礎知識の解説

二重全切開法は、まぶたの皮膚を希望する二重のラインに沿ってメスで切開し、まぶた内部の組織(眼輪筋や瞼板前組織)を処理して癒着させることで、半永久的な二重のラインを作り出す手術です。
まぶたの皮膚が厚い方、脂肪が多い方、たるみが強い方でも、余分な皮膚や脂肪を切除することで、くっきりとした深い二重を形成することが可能です。一度手術が完了すれば、ラインが元に戻ってしまう心配がほとんどないのが最大の特徴です。
埋没法の仕組みと特徴

埋没法は、メスで皮膚を切開せず、医療用の極細の糸をまぶたの裏側から通し、数ヶ所を点で留めることで二重のラインを形成する施術です。皮膚を切らないため、「切らない二重整形」とも呼ばれます。
施術時間が短く、術後の腫れや内出血といったダウンタイムが全切開法に比べて格段に短いのが特徴です。また、万が一仕上がりが気に入らない場合や、将来的にデザインを変更したい場合には、糸を抜去して元に戻したり、再手術を行ったりすることが比較的容易です。
二重整形の施術方法の違いを理解しよう
全切開と埋没法のどちらを選ぶべきかは、その人のまぶたの状態やライフスタイル、希望するデザインによって異なります。二つの方法の主な違いを理解し、自分にとっての優先順位を考えてみましょう。
項目 | 二重全切開法 | 埋没法 |
---|---|---|
施術方法 | メスで皮膚を切開し、組織を癒着させる | 医療用の糸でまぶたを留める |
持続性 | 半永久的 | 数年〜十数年(個人差あり、取れる可能性も) |
ダウンタイム | 長い(約1〜3ヶ月で大きな腫れが引く) | 短い(約1週間で大きな腫れが引く) |
傷跡 | ライン上に薄く残る(時間と共に目立ちにくくなる) | ほとんど残らない |
やり直し | 困難 | 比較的容易 |
料金 | 高め(約25万〜40万円) | 比較的安い(約5万〜20万円) |
適応 | まぶたが厚い・脂肪が多い・たるみがある人 | まぶたが薄い〜標準的な人 |
デザイン | くっきり、幅広のデザインが可能 | 自然なデザインが得意 |
二重全切開のメリットとデメリット
半永久的な効果が期待できる全切開法ですが、メリットだけでなくデメリットも存在します。両方をしっかりと理解した上で、施術に臨むことが重要です。
二重全切開のメリットを徹底解説
- 半永久的な二重ライン:最大のメリットは、一度作った二重のラインが元に戻る心配がほとんどないことです。毎日のアイプチやアイテープの手間から完全に解放されます。
- デザインの自由度が高い:くっきりとした平行型の二重や、幅の広い華やかな二重など、希望のデザインを高いレベルで実現できます。
- まぶたの悩みを同時に解消:まぶたの脂肪が厚い場合は脂肪を除去したり、加齢による皮膚のたるみがある場合は余分な皮膚を切除したりと、二重にすると同時に他の悩みも改善できる可能性があります(眼瞼下垂の手術を兼ねることもあります)。
失敗談から学ぶ!デメリットとは
- ダウンタイムが長い:術後の腫れや内出血が完全に引いて、自然な仕上がりになるまでには3ヶ月〜半年、人によっては1年近くかかることもあります。長期の休みが取れない方には難しい選択です。
- 傷跡が残る:切開したラインに沿って、わずかな傷跡が残ります。通常は二重のラインに隠れて目立ちませんが、目を閉じた時などに気になる可能性があります。
- 修正が非常に困難:一度切開して組織を癒着させてしまうため、元の状態に戻すことはできません。ラインの幅を狭くするなど、修正手術は技術的に非常に難しく、対応できるクリニックも限られます。
- 料金が高い:埋没法と比較して、手術費用は高額になります。
二重全切開をやめたほうがいい人の特徴
- 長期の休み(最低でも1〜2週間)が取れない人
- 傷跡が残ることに抵抗がある人
- 将来、二重のデザインを変えたくなる可能性がある人
- 「まずはお試しで二重にしてみたい」と考えている人
- 手術に対する恐怖心が強い人
埋没法のメリットとデメリット
手軽さが魅力の埋没法ですが、リスクも存在します。優れた点と注意すべき点を把握し、賢い選択をしましょう。
埋没法の優れた点とは?
- ダウンタイムが短い:切開をしないため、術後の腫れが少なく、回復が早いのが最大の魅力です。週末の休みなどを利用して施術を受けることも可能です。
- 傷跡がほとんど残らない:針穴程度の小さな跡しかつかず、時間とともによく見ないと分からないほどになります。
- やり直しが可能:仕上がりが気に入らない場合や、加齢でまぶたの状態が変わった場合でも、糸を外して再施術することができます。
- 料金が手頃:全切開法に比べて費用を抑えられるため、美容整形が初めての方でも挑戦しやすいでしょう。
埋没法のリスクと術後のダウンタイムについて
- 糸が取れる可能性がある:まぶたを強くこすったり、時間の経過とともに糸が緩んだり切れたりして、二重のラインが元に戻ってしまうことがあります。
- 糸の結び目が目立つ可能性:まれに、皮膚の薄い方などで糸の結び目がポコッと浮き出て見えることがあります。
- ダウンタイム中の症状:施術直後は腫れ、内出血、ゴロゴロとした異物感、軽度の痛みなどが出ます。通常、大きな腫れは数日〜1週間程度で落ち着きます。
失敗しないための埋没法のスキルの選び方
埋没法は医師の技術によって仕上がりが大きく左右されます。留める糸の点数(2点留め、4点留めなど)や、糸の結び方(スクエア法、トライアングル法など)もクリニックによって様々です。点数が多ければ強度が増しますが、その分腫れやすくなる傾向もあります。カウンセリングで自分のまぶたに最適な方法を提案してくれる、経験豊富な医師を選ぶことが成功への鍵です。
二重全切開と埋没法の比較
結局、自分にはどちらが合っているのでしょうか。ここでは、二つの方法を様々な角度から比較検討していきます。
二重全切開と埋没法、どちらが良いか?
この問いに唯一の正解はありません。あなたの「理想」と「現実」を照らし合わせて考える必要があります。
-
全切開がおすすめな人
・まぶたが厚く、アイプチなどでは二重になりにくい
・半永久的な効果を望む
・くっきりとした幅広の二重にしたい
・ダウンタイムを長く取ることができる -
埋没法がおすすめな人
・まぶたが比較的薄い
・まずはお試しで二重にしてみたい
・ダウンタイムを短く済ませたい
・傷跡を残したくない
・自然な仕上がりを希望する
症例写真で見る成功と失敗
BEFORE
AFTER


30代女性の全切開法症例になります。埋没法や目頭切開を今まで受けてこられましたが、たるみが出てきたため、全切開法で手術を行いました。まつ毛の生え際に皮膚がかぶさる逆さまつ毛症状も併せて修正しています。6㎜幅 末広型でデザイン たるみは逆さまつ毛と併せて5㎜幅で切除しました。腫れ改善目的にステロイド注射を2回行いましたが、3M検診時にはほぼ左右差がなくなり、開瞼幅の改善も得られました。患者様には喜んでいただきました。
クリニックのウェブサイトやSNSで症例写真を見る際は、以下の点に注意しましょう。
- 成功例:希望通りの自然なラインで、左右差がない。目を閉じた時の傷跡が目立たない(全切開の場合)。
- 失敗例:ラインが不自然に食い込んでいる(ハム目)、左右の幅が違う、ラインがガタガタ、思ったより幅が広すぎる・狭すぎるなど。
多くの症例を見ることで、自分が「美しい」と感じるデザインや、避けたい仕上がりのイメージが明確になります。
失敗確率とその後の修正について
どちらの施術にも失敗のリスクはゼロではありません。一般的に、埋没法の方が糸が取れるリスクはありますが、その分修正は容易です。一方、全切開はラインが取れるリスクは低いですが、デザインの不満が出た場合の修正は非常に困難を極めます。失敗のリスクを減らすためには、後述するクリニック選びが最も重要になります。
二重整形におけるクリニック選びのポイント
施術の成否は、どのクリニック、どの医師に任せるかで決まると言っても過言ではありません。後悔しないための選び方のポイントをご紹介します。
信頼できる医師の見つけ方
- 専門医の資格:日本美容外科学会認定の「美容外科専門医」など、確かな技術と知識を持つ医師かを確認しましょう。
- 症例数と実績:二重整形、特に自分が希望する施術方法(全切開または埋没法)の経験が豊富な医師を選びましょう。症例写真の数や質も判断材料になります。
- カウンセリングの丁寧さ:あなたの話をじっくり聞き、メリットだけでなくデメリットやリスクも隠さず説明してくれる医師は信頼できます。
料金や施術内容の相場について
料金は地域やクリニックによって差があります。
- 埋没法:5万円~20万円程度
- 全切開法:25万円~40万円程度
極端に安い料金を提示しているクリニックには注意が必要です。広告の料金は最低限のプランで、カウンセリングで高額なオプションを勧められるケースもあります。見積もりに含まれる内容(麻酔代、薬代、アフターケア代など)をしっかり確認しましょう。
カウンセリングで確認すべきポイント
カウンセリングは、医師との相性を見極め、疑問を解消する絶好の機会です。以下の点は必ず確認しましょう。
- 自分の希望するデザインは、自分のまぶたで実現可能か。
- 具体的な施術方法と、その方法を勧める理由。
- 考えられるリスク、副作用、合併症のすべて。
- ダウンタイムの詳しい経過と期間。
- 保証制度や、トラブルが起きた際の対応(アフターフォロー体制)。
- 麻酔の方法と安全性。
- 総額費用の内訳。
ダウンタイムを乗り切るために知っておくべきこと
施術後の回復期間である「ダウンタイム」。その過ごし方次第で、仕上がりの美しさや回復の速さが変わってきます。
具体的なダウンタイムの期間と症例
- 埋没法:
・術後~3日:腫れと内出血のピーク。ゴロゴロ感や痛みを感じることも。
・~1週間:大きな腫れが引き、メイクでカバーできる程度に。
・~1ヶ月:むくみが取れてほぼ完成。ラインが安定してきます。 - 全切開法:
・術後~1週間:抜糸までの期間。腫れと内出血が最も強く出ます。
・~1ヶ月:大きな腫れは引きますが、まだ食い込みや幅の広さが気になる時期。
・~3ヶ月:むくみが取れてきて、ラインがかなり自然になります。
・~半年・1年:傷跡の赤みも引き、ほぼ完全な仕上がりに。
術後のアフターケア完全ガイド
- 冷やす:術後3日間ほどは、保冷剤をガーゼで包み、まぶたを優しく冷やすと腫れの抑制に効果的です。
- 頭を高くして寝る:血流が頭部に集中するのを防ぎ、腫れを軽減します。
- 血行が良くなる行動を避ける:術後1週間程度は、長時間の入浴、激しい運動、飲酒は控えましょう。
- 処方薬の服用:クリニックから処方された抗生物質や痛み止めは、指示通りに服用・使用してください。
- まぶたに触らない:かゆくても、絶対にこすったり掻いたりしないこと。感染や糸が取れる原因になります。
老後を見据えた二重整形の影響
年齢を重ねると、誰でも皮膚のたるみやまぶたのくぼみといった変化が現れます。
- 全切開の場合:切開したラインは残りますが、その上の皮膚がたるんでかぶさってくることで、二重の幅が狭く見えるようになる可能性があります。
- 埋没法の場合:加齢による変化に合わせて、ラインが浅くなったり、取れてしまうことがあります。しかし、これは見方を変えれば、その時のまぶたの状態に合わせて再施術で調整できるというメリットにもなります。
二重整形の後悔事例と成功事例
実際に施術を受けた人々の体験談は、リアルなイメージを持つための貴重な情報源です。
切開の失敗から学ぶ重要なポイント
「希望より幅が広すぎて不自然な『ハム目』になった」「左右差がひどくて修正もできない」「目を閉じると傷跡がクッキリ残ってしまった」といった後悔の声があります。これらの失敗の多くは、カウンセリングでのシミュレーション不足や、医師とのイメージ共有の齟齬、医師の技術力不足が原因です。自分の希望を正確に伝え、医師の提案を鵜呑みにせず、納得できるまで話し合うことが何よりも大切です。
埋没法で理想の目元を手に入れたケース
「毎朝5分かかっていたアイプチから解放されて、時間に余裕ができた」「自然な末広型の二重で、周りには『痩せた?』と言われるくらいナチュラルに印象が変わった」「コンプレックスだった一重が解消され、自分に自信が持てるようになった」など、多くの成功事例があります。埋没法の手軽さが、生活の質(QOL)を大きく向上させるきっかけになっています。
総まとめ:あなたに合った選択ポイント
ここまで様々な情報を見てきましたが、最後に、あなた自身が最適な選択をするためのポイントを整理します。
二重整形の理想の姿を描こう
まずは、なぜ二重にしたいのか、どんな目元になりたいのかを具体的にイメージしましょう。「可愛くなりたい」だけでなく、「アイメイクが映えるようになりたい」「優しい印象になりたい」「左右のバランスを整えたい」など、目的を明確にすることで、医師にも希望が伝わりやすくなります。
自分に最適な方法を選ぶためのチェックリスト
以下の質問に答えて、自分の考えを整理してみましょう。
- 長い休みは取れるか?(Yes→全切開も可 / No→埋没法向き)
- まぶたの皮膚は厚い、または脂肪が多いか?(Yes→全切開向き / No→埋没法向き)
- 半永久的な効果を最も重視するか?(Yes→全切開向き / No→どちらも可)
- 傷跡が残ることに抵抗はあるか?(Yes→埋没法向き / No→全切開も可)
- 予算はどれくらいか?(高めでもOK→全切開も可 / 抑えたい→埋没法向き)
- 将来、デザインを変更したい可能性はあるか?(Yes→埋没法向き / No→全切開も可)
心配を解消するための情報収集のすすめ
この記事で基本的な知識は得られたはずです。しかし、最終的な決断を下す前には、さらなる情報収集をおすすめします。 複数のクリニックでカウンセリングを受け、様々な医師の意見を聞いてみましょう。SNSや口コミサイトの情報は参考になりますが、あくまで個人の感想です。最終的には、自分で直接見て、聞いて、信頼できると感じたクリニック・医師に任せることが、後悔のない二重整形への一番の近道です。