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【医師解説】豊胸しても授乳できる?母乳への影響と授乳前後の適切なタイミング

2026/08/07
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2026/09/04

豊胸後授乳コラム

「将来子どもができたとき、ちゃんと母乳をあげられるだろうか」——豊胸手術を検討する方から、こうした質問をよくいただきます。妊娠・出産・育児は人生の大きなイベントだけに、慎重になるのは自然なことです。

結論からお伝えすると、現在主流の豊胸術(シリコンバッグ・脂肪注入・ヒアルロン酸注入)は、基本的に授乳への影響はほとんどないと考えられています。ただし、施術方法によって注意しておきたいポイントは異なります。この記事では、母乳への影響、注意が必要な施術、そして手術のタイミングについて解説します。

基本的には、母乳や授乳への悪影響はほとんどない

母乳は乳腺で作られ、乳管を通って外に出ます。シリコンバッグ・脂肪注入・ヒアルロン酸注入といった代表的な豊胸術は、乳腺や乳管そのものには触れず、乳腺の下や大胸筋の下といった層に施術を行います。そのため、適切な手技で行われていれば、母乳の生成や成分に直接影響することはほとんどないと考えられています。

とはいえ、絶対にリスクがゼロというわけではありません。施術方法ごとの注意点を見ていきましょう。

将来の授乳を守りつつ、理想の形を作る「挿入層の使い分け」

当院のオーダーメイド豊胸:バストの状態に合わせた挿入層の選択と授乳への安全性

「豊胸をすると授乳できなくなるのでは?」と不安に思う方の多くは、「乳腺(母乳を作る組織)の中に異物を入れる」と誤解されています。

実際には、シリコンバッグは乳腺組織よりもさらに「奥」の層に挿入するため、母乳の生成や乳管(母乳の通り道)を直接傷つけることはありません。

当院では、患者様の元々のバストの大きさや皮下脂肪の厚さに応じて、主に以下の2つの層をケースバイケースで使い分けています。どちらの術式を選んでも、将来の授乳機能は温存されます。

挿入する層(術式) 授乳機能への影響 当院での適応ケースと特徴
乳腺下法

(当院で多いケース)
影響なし(安全) 【適応】ある程度元々のバスト(乳腺組織)に厚みがある方

乳腺と大胸筋の間にバッグを挿入します。乳腺の「裏側」に配置するため乳腺組織は傷つきません。筋肉を触らないため術後の痛みが少なく、筋肉の動きによるバッグの変形(アニメーション変形)が起きないのがメリットです。
大胸筋下法 影響なし(安全) 【適応】元々のバストが小さい方、皮下脂肪が極めて少ない方

大胸筋(胸の筋肉)の下にバッグを挿入します。乳腺組織から筋肉を一枚隔てた奥に配置するため、授乳への影響はありません。バストが小さくてもバッグの輪郭が浮き出にくく、自然な触り心地に仕上がります。

医師の視点

「将来の授乳」を優先するあまり、体型に合わない術式を無理に選ぶ必要はありません。当院では、ワキの下(腋窩)やアンダーバスト(乳房下溝)からアプローチすることで、乳腺組織にメスを入れずに安全な層へバッグを挿入します。授乳への安全性を確保した上で、最も自然で美しい仕上がりになる層をプロの目で見極めてご提案しています。

授乳トラブルを防ぐための「切開部位」の選び方

母乳の通り道(乳管)を傷つけないアプローチ

挿入層だけでなく「どこを切開するか」も授乳に影響する重要なポイントです。

当院では将来の授乳を希望される方には、乳輪周囲を切開する方法は原則として推奨していません。乳輪周囲からのアプローチは、乳腺組織を縦に割って進む必要があるため、微細な乳管や乳頭の知覚神経を傷つけ、母乳の出や射乳反射に影響を与えるリスクがあるためです。

授乳機能を100%守るためには、乳腺組織を完全に迂回できる「腋窩(ワキ)切開」または「乳房下溝(アンダーバスト)切開」を選択することが医学的な正解となります。

施術方法ごとの注意点

施術方法 授乳への影響
シリコンバッグ豊胸 基本的に影響は少ないが、バッグが大きすぎる場合や被膜拘縮が起きた場合、乳腺が圧迫されて乳腺炎のリスクがわずかに上がる可能性がある
脂肪注入豊胸 自分の脂肪を使うため比較的安心。ただし脂肪吸引・注入という手術自体のダウンタイムはある
ヒアルロン酸注入豊胸 乳腺・乳管に触れないよう適切に注入されていれば影響は少ないとされるが、注入箇所を誤ると乳腺・乳管周辺で炎症を起こす可能性がある
アクアフィリング豊胸 柔らかい充填剤という性質上、術後に想定と異なる場所へ移動することがあり、乳腺・乳管まで広がった場合は母乳に成分が混ざる可能性が指摘されている

シリコンバッグ豊胸

シリコンバッグ豊胸で気になるのは、乳腺がバッグによって圧迫されることによる乳腺炎です。バッグのサイズが大きすぎる場合や、被膜拘縮(バッグを包む膜が硬くなる合併症)が起きた場合に、リスクがやや高まる可能性があるとされています。

海外の系統的レビュー・メタ分析(Chen et al., 2023)では、シリコンバッグ豊胸を受けた女性の多くが母乳育児に成功している一方で、豊胸手術を受けていない女性と比べると、母乳育児を行った割合はやや低いという結果も報告されています。これは「絶対に母乳が出ない」という意味ではなく、痛みや乳腺炎などのトラブルが母乳育児を諦める一因になっている可能性を示唆するものです。不安な場合は、術後の定期検診で乳腺の状態を確認しながら経過を見ていくと安心です。

脂肪注入豊胸

自分自身の脂肪を使う施術のため、異物による乳腺への影響という意味では比較的安心とされています。妊娠・出産・授乳を経てバストがしぼんでしまった方が、卒乳後に脂肪注入を選ぶケースも多く見られます。授乳後は皮膚が伸びて脂肪を注入するスペースができているため、脂肪の定着にとって好ましい環境という指摘もあります。

ヒアルロン酸注入豊胸

注射で注入するため体への負担は少ない一方、同じ場所への繰り返しの注入や、注入位置・量を誤った場合には、乳腺・乳管周辺で炎症を起こし、授乳に影響が出る可能性が指摘されています。信頼できる医師のもとで適切な手技を受けることが重要です。

アクアフィリング豊胸について

アクアフィリングは、他の充填剤と比べて授乳への影響が懸念される施術です。柔らかい素材であるがゆえに、注入後に本来とは違う場所へ移動してしまうことがあり、これが乳腺・乳管まで広がると母乳に成分が混ざる可能性が指摘されています。また、安全性そのものについても確立されていない部分があり、除去を希望される方の相談も少なくありません。アクアフィリングを検討している場合は、この点を十分理解したうえで判断することをおすすめします。

当院にも、アクアフィリング注入後の不調や、将来の授乳・健康面への不安から、除去のご相談・修正手術で来院される方がいらっしゃいます。すでにアクアフィリングを受けていて不安がある方は、一人で抱え込まず、一度ご相談ください。

【専門医の視点】過去にアクアフィリングや他院で豊胸を受けられた方へ

アクアフィリングは組織への浸潤や移動が報告されており、将来的に授乳を希望される場合は特に事前のアセスメントが重要です。当院では超音波(エコー)検査などを用いて現在のバッグや注入物の状態を診断し、必要に応じた安全な除去や入れ替えのご相談にも対応しています。

アクアフィリング除去について詳細を見る

【時期別】豊胸手術と妊娠・授乳のタイムスケジュール

時期 目安・注意点
豊胸術を受けた後、妊娠するまでの期間 術後の組織の回復とダウンタイム(傷口の安定)を考慮し、施術後最低でも3ヶ月〜半年程度は期間を空けることが推奨されます。
出産・卒乳後、豊胸術を受けられる時期 授乳中は乳腺が発達・拡大しており、また母乳の分泌が残っている状態では感染や血腫のリスクが高まります。完全に卒乳(断乳)してから半年以上経過し、乳腺の状態が元に戻ってから施術を行うのが安全です。

豊胸のタイミングは「授乳前」「授乳後」どちらがいい?

将来的に妊娠・授乳の予定がある場合、豊胸手術を「授乳前」に受けるか「授乳後」に受けるか迷う方も多いです。それぞれにメリット・デメリットがあります。

タイミング メリット デメリット
授乳前 すぐに理想のバストを手に入れられる。妊娠前の時間を活用しやすい 授乳によってバストの形が変化する可能性がある
授乳後 皮膚が伸びているため脂肪や大きめのバッグが定着しやすく、形が安定しやすい 育児と回復期間のスケジュール調整が必要になる

すぐに理想のバストを手に入れたいなら授乳前、仕上がりの安定を優先したいなら授乳後、というのが一般的な考え方です。どちらが良いかはライフスタイルや優先順位によって変わるため、迷う場合はカウンセリングで相談することをおすすめします。

なお、妊娠中・授乳中の手術は基本的におすすめできません。ホルモンバランスの変化に加え、感染リスク、局所麻酔薬や内服薬が母体・乳汁に移行するリスクなどを考慮し、妊娠中・授乳中は施術を見合わせるのが安全管理上の原則です。目安として、卒乳後半年程度空けてからの施術が推奨されます。

まとめ

  • シリコンバッグ・脂肪注入・ヒアルロン酸注入は、基本的に母乳や授乳への悪影響はほとんどないとされる
  • シリコンバッグはサイズや被膜拘縮によって乳腺炎のリスクがわずかに上がる可能性がある
  • アクアフィリングは他の施術と比べて注意が必要
  • 授乳前後どちらに手術を受けるかは、それぞれメリット・デメリットがあるため、ライフプランに合わせて検討を
  • 妊娠中・授乳中の施術は避けるのが一般的

将来の妊娠・授乳を見据えている方は、カウンセリングの際にその旨を医師に伝えておくと、より適した施術方法やタイミングを提案してもらいやすくなります。

大阪で豊胸をお考えの方はコムロ美容外科にご相談ください。

豊胸後の妊娠・授乳に関するよくある質問

Q. 豊胸手術後に妊娠した場合、バッグの抜去や特別な処置は必要ですか?

A. 妊娠・出産のためにバッグを抜去する必要は基本的にありません。ただし、乳房の拡大に伴いハリ感や張りが強く出ることがあるため、気になる場合は検診をおすすめします。

Q. 豊胸していることを産婦人科の医師や助産師に伝えるべきですか?

A. はい、乳房マッサージや乳腺炎の診察時に適切な対応を受けていただくため、問診時に伝えておくことを推奨します。

Q. 豊胸手術後にレントゲンやマンモグラフィ検診は受けられますか?

A. 脂肪注入やシリコンバッグ豊胸を行っていても検診を受けることは可能ですが、マンモグラフィ(圧迫検査)ではバッグ破損のリスクや画像上の影(石灰化)が問題になる場合があります。事前受診時に豊胸を行っている旨を技師に伝えるか、エコー(超音波)検診を選択することをおすすめします。

Q. シリコンバッグが入っていると、乳腺炎になったときに気づきにくいですか?

A. 乳腺炎は乳腺組織の炎症であり、バッグ自体が直接の原因になることは稀ですが、張りや痛みの区別がつきにくいことがあります。違和感があれば無理に揉んだりせず、すぐに受診してください。

Q. 「乳腺下法」で豊胸した場合、授乳中にバッグが乳腺を圧迫して痛くなりませんか?

A. 授乳期は乳腺自体が発達して膨らむため、普段より胸の張りや圧迫感を感じやすくなるのは事実です。しかし、適切なサイズのバッグが正しい層(乳腺の裏側)に収まっていれば、それが直接の原因となって重篤な乳腺炎を引き起こすことは稀です。張りが強い場合は、温めすぎず、優しく圧を逃がすような授乳姿勢を工夫することが大切です。

Q. 豊胸後に母乳マッサージ(助産師によるケア)を受けても大丈夫ですか?

A. 基本的に問題ありませんが、必ず事前に「いつ・どの術式で豊胸手術を受けたか」を助産師・医師にお伝えください。無理に強い圧迫を加える手技は避け、乳頭・乳輪周囲を中心とした優しい開通マッサージを行ってもらうことが推奨されます。

Q. 豊胸による胸の張りと、授乳期の「乳腺炎」の張りはどう見分けますか?

A. 豊胸後しばらく経ってからの発熱、局所の強い熱感・発赤、インフルエンザ様の関節痛を伴う場合は、バッグの異常ではなく「乳腺炎(うっ滞性・化膿性)」の可能性が高いです。その際は自己判断で揉まず、速やかに産婦人科またはクリニックへご相談ください。エコー検査にて状態を即座に鑑別可能です。

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この記事の監修者
医療法人秀晄会コムロ美容外科 院長 池内 秀行
名前
池内 秀行
肩書
医療法人秀晄会 コムロ美容外科(大阪・心斎橋)院長
保有資格
  • 日本麻酔科学会会員
  • 麻酔科標榜医
  • 日本美容外科学会(JSAS)会員
  • 美容外科(JSAS)専門医
  • アラガンボトックスビスタ認定医
  • アラガンジュビダーム認定医
経歴
  • 1996年 神戸大学医学部卒業・同大麻酔科入局
  • 2000年 大手美容外科 入職
  • 2001年 コムロ美容外科入職
  • 2006年 心斎橋コムロ美容外科クリニック 院長就任

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