このたびの熊本地方で発生した地震により、
被災された多くの皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
また、皆さまの安全と一日も早い復旧、
復興をお祈り申し上げます。
今回は、他院修正と注意点についてご紹介します。
アンチエイジングにおいて再生医療が注目されています。
簡単な再生医療としては、
自身の血小板を濃縮して注入するPRPが挙げられます。
血小板の効果で小じわを解消したり、
肌のハリを出す安全な治療法ですが、
そちらに他の薬剤を混ぜるクリニックがあるようです。
よく耳にするのがフィブラストという、
スプレー剤です。
皮膚潰瘍の治療薬で繊維芽細胞を
活性することで創傷の治癒を早めるお薬ですが、
これをPRPに混ぜることによって
肌の再生を促すと言う謳い文句で行っているようです。
顔にフィブラストスプレーと
PRPを混ぜて顔面に注入した場合、
異常肉芽腫があちこちにできる結果、
変なシワができたり凹凸を生じる可能性が高くなります。
全国的に同じような合併症が何件か報告されているようです。
今回の症例も、フィブラストを注入後からしこりとシワ、
凹凸ができ、施術したクリニックでは
まともに対応してくれないとうのことで、
当院に来院されました。
PRPはともかく、
フィブラストの効果持続期間ははっきりせず、
拮抗薬も存在しません。
マリオネットラインを中心にしこりができ、
その境目に笑った時に深いシワができていました。
施術したクリニックでは、問題ない仕上がりと
門前払いされたところ、当院に来院されました。
先程も言ったように、
フィブラストスプレーの効果を打ち消す薬剤はありませんが、
永久に効果が続くわけではなく、
しこりに対しては、ステロイド注射、
シワと下口唇の歪みに関してはヒアルロン酸で
対応することにしました。
ある程度改善させるのに数回の通院は必要ですが、
翌週の検診時にはかなり改善していました。
新たに、別の部位にしこりがでていましたが( ^^;)
もちろんそちらにもステロイド注射を行い、
改善してくると思います。
患者さんからは、涙を流して感謝をしていただけました。
ちなみに前医は、名の通った先生でしたよ。
美容外科といっても医療である以上、
予想外の結果や合併症を100%避けるのは無理です。
しかし重要なのは、
うまく行かなかった場合、
敗した場合に、真摯な対応でクリニックが、
自分のことをアフターフォローしてくれるかが重要です。
ドクターの技術、知識はもちろん、ハートが大事ですよね。