今週から秋~冬らしくなってきましたね
さて、今回は、耳のお話です
耳の手術で、当院で一番症例数が多いのは、
ピアスになります。
麻酔なしでおこなえる耳たぶのピアスから、
ドクターが施術する軟骨ピアスまで、
当院では、年間数百件行っています。
しかし、少数ながら、
トラブルを生じることもあります。
比較的多いのは、
ピアス部の細菌感染や金属アレルギーですが、
幸いそういったケースでは、
ピアスをとってしまい、
併せて軟膏や内服薬で治りますし、
タイミングをみて、再度穴あけも可能です。
発生率は少ないですが、
ピアスを外しただけでは改善せず、
注射等で治療が必要なケースとして
ケロイドがあります。
ケロイドとは、
皮膚がミミズバレように膨らんだ状態で、
放置していると
少しずつ大きくなることがあります。
写真の症例は、耳のへリックスに
軟骨ピアスを入れた後、
3ヶ月ですが、長径1,5cm程度の
ケロイドができています。
ケロイドは、肥厚性瘢痕と違い、
月日が経っても改善せず、
逆に少しずつ大きくなることもあります。
メスを入れて切り取ると、
以前よりも大きくなるケースもあり、
注意が必要です。
ケロイド治療にもいろいろあるのですが、
当院では、トリアムシノロンという
ステロイド注射を、
まず初期治療として行っています。
このステロイドは、
注射した範囲のみに作用し、
ありとあらゆる軟部組織を収縮させる効果があり、
ケロイドに限らず、
①脂肪組織
②瘢痕組織
③筋肉組織に効果を発揮します。
(骨や軟骨には効果がありません。)
写真は注射後1か月ですが、
90%程度縮小し大幅に改善したため、
少量トリアムシノロンを再度追加注入とともに、
少し場所をずらして
ピアスの穴あけをすることができました。