皆さん、こんにちは。
年末年始もたくさんの患者様に来院していただき、
まことにありがとうございました。
今回は、幼児の逆さまつ毛の症例をご紹介します。
1歳の男の子の逆さまつ毛を治したいというお母様のご希望で、
遠方から飛行機で来ていただきました。
県内では、同様の手術を1歳で行ってくれる施設がなく、
インターネットで検索して当院にたどり着いたとのことでした。
患者様の瞼は、左右ともに一重で、眼球にまつ毛が触れていて
逆さまつ毛の症状はやや強いようです。
幼児、小児の逆まつ毛の原因は?
幼児、小児の瞼は、瞼に対して相対的に皮膚が余っており、
まつ毛の上にかぶさってくるため、逆さまつ毛になることが多いのですが、
成長につれて相対的に皮膚のたるみが少なくなるため、
小学校低学年のころには、逆さまつ毛は治ることが多いといわれています。
そのため、幼児期に逆さまつ毛の角膜刺激症状が強くとも、
経過観察とされることが多く、親が手術を望んでも、
引き受けてくれる医療機関が見つからないのが現状です。
また逆さまつ毛の保険治療は、全身麻酔を行い全切開法で行うため、
治療にあたって数日間の入院が必要があり親子ともに負担が大きいのが現状です。
当院では、自由診療ではありますが、当院での逆さまつ毛の治療は、
術後の痛みや腫れなどの患者の負担を少なくし、
瞼の成長に影響を与えないために、埋没法を全身麻酔下で行っています。
成人の二重手術と、逆さまつ毛の治療の埋没法の違い
逆さまつ毛の治療の場合、幼児、小児については二重幅4~5mm
程度、
末広型が基本になります。
今回は4mmで設定しました。ちなみに成人では、
本人の希望をお聞きして7~10mmで行うことが多いです。
今回20分程度で手術は終わり、5分程度で患児は目を覚ましました。
もちろんですが、手術直後でも二重になって逆さまつ毛は解消しています。
その後40くらい休憩ののち、
患者様親子は、帰宅されました。
今後の課題点は、安全を考慮して鎮静剤を一切使わないため、
手術前後でお子様の機嫌が非常に悪く、
付き添っていただいているお母にご心配をおかけすることでしょうか。
来院から全身麻酔、手術そして、
帰宅まで2時間もかからない日帰りの手術ですが、
患者様の精神的な負担をできるだけ少なくしていくか
検討する必要があるようです。
今回は、幼児に対する逆さまつ毛の治療として、
日帰り全身麻酔で埋没法を行った症例を紹介しました。